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名古屋国際女子マラソンを斬る!

【名古屋国際女子マラソン出馬表】

※勉強不足のため、間違い等あるかもしれませんが大目に見てくださいね。
2002名古屋国際女子マラソン(3/10・瑞穂陸上競技場発着)

世界最高:キャサリン・デレバ 
2’18”47(2001シカゴ)
日本最高:橋尚子様     
2’19”46(2001ベルリン)
大会記録:橋尚子様     
2’22”19(2000年)
本紙 BIB 選手名 所属 自己ベスト 直近の成績 寸評
テグラ・ロルーペ(28) ケニア 2’20”43 01・9・30ベルリン
A 2’28”03
01・4・22ロンドン
G 2’26”10
00・11・5ニューヨーク
E 2’29”45
イリーナ・ボガチョワ(40) キルギスタン 2’26”27 01・12・2ミラノ
D 2’35”27
01・10・7セントポール
E 2’31”02
01・6・3ロックンロール
C 2’33”08
エルジビエタ・ヤロシュ(30) ポーランド 2’30”15 01・10・7セントポール
D 2’30”15
01・4・8デブノ
@ 2’37”02
01・1・28大阪
G 2’35”24
李 賀蘭(24) 中国 2’31”05 01・10・14北京
O 2’35”21
01・4・7済南
A 2’31”05
アラ・ザダロジヤナ(29) ベラルーシ 2’33”33 01・11・25モナコ
F 2’52”34
01・4・28ナッシュビル
E 2’42”00
00・11・26バンコク
A 2’55’09
スーザン・ミケルソン(30) オーストラリア H1’12”31
メリサ・ムーン(32) ニュージーランド 1万m 33:46:91
51 安部友恵(30) 旭化成 2’26”09 02・1・27大阪
D 2’29”16
01・11・18東京
K 2’34”17
01・3・11名古屋
D 2’27”02
欠場 52 麓みどり(30) デオデオ 2’27”55 01・3・11名古屋
43 2’49”29
00・9・10ベルリン
J 2’34”56
00・3・12名古屋
C 2’27”55
欠場 53 寺内多恵子(29) 資生堂 2’28”10 02・1・27大阪
K 2’35”47
99・11・21東京
K 2’33”13
99・4・18ロンドン
E 2’28”31
× 54 甲斐智子(25) デンソー 2’28”13 01・3・11名古屋
J 2’29”19
00・10・29フランクフルト
A 2’30”20
00・3・12名古屋
J 2’33”31
欠場 55 小出正子(28) 積水化学 2’28”28 01・4・22ロッテルダム
A 2’28”28
00・11・19東京
H 2’30”50
00・6・4ロックンロール
C 2’32”52
56 大南博美(26) UFJ銀行 2’28”32 01・3・11名古屋
Q 2’33”03
00・3・12名古屋
D 2’28”32
99・3・14名古屋
B 2’30”19
欠場 58 千葉真子(25) SAC 2’29”00 01・8・26北海道
@ 2’30”39
99・11・21
D 2’29”00
98・9・6シドニー
C 2’37”44
59 中山ひろみ(31) ホクレン 2’29”39 01・8・26北海道
D 2’38”56
01・3・11名古屋
26 2’37”08
00・9・10ベルリン
F 2’29”39
60 田辺かおり(26) デンソー 2’31”31 01・4・16ボストン
I 2’31”31
61 田中千洋(32) トクセン工業 2’31”39 01・8・26北海道
L 2’49”09
01・4・15長野
A 2’32”02
00・11・19東京
O 2’38”24
62 貴貫広子(27) 沖電気 2’32”20 01・11・18東京
M 2’35”09
00・8・27北海道
D 2’37”54
00・3・12名古屋
H 2’32”20
63 草萱昌子(30) 松下通信 2’33”47 02・1・27大阪
O 2’39”35
01・8・26北海道
I 2’44”33
01・3・11名古屋
24 2’35”57
64 長沼一葉(30) アコム 2’34”02 01・10・7シカゴ
F 2’34”02
65 植木美和子(23) TOTO 2’34”36 01・8・26札幌
G 2’43”55
01・3・11名古屋
S 2’34”36
67 小尾麻美(25) スターツ 2’34”42 01・8・26北海道
B 2’36”37
00・11・19東京
途中棄権
99・8・29北海道
B 2’34”42
69 野口みずき(23) グローバリー H1’08”22
欠場 70 小鳥田貴子(24) デオデオ H1’09”04
71 熊谷順子(27) セイコーI H1’09”46
× 72 田中めぐみ(26) あさひ銀行 1万m 31:53:35

【リーフの懺悔(笑)】

(2002.3.23)

☆まず、大幅に書くのが遅れたことを懺悔しなくては(笑)

☆予想としては、まあ順当だったでしょう。◎ー○だし、なによりきっちりロルーペ先生を無印にしたのが小生的にはかなり満足のいくところです。

☆それにしてもロルーペ先生、いきなり立ち止まるのをみて、「うわーロンドンの再現かよ!」と思いましたわね。でもあの時は終盤先頭集団に追いついたですからね、さすがにそこまでは調整不足で無理っちゅうことでしたわね。

☆予想のところにある「田中」はもちろん田中めぐみさんなのですが、まずは田中千洋さんがここにきて自己ベスト(2時間30分を切ってきた)叩き出してきたことに乾杯。こういうのってすごく嬉しくなります。

☆で、その田中めぐみさんについては、最初見たときに「走りが土佐さんっぽい」と直感したのですが、みなさんはどう感じられたでしょうか。正直言って、フルマラソンの将来性としては我らが野口さんよりも田中めぐみさんを推したくなってきたのですよ。逆に言うと、まだ野口さんを見ててフルマラソンへの信頼感を持てない(高いレベルでですよ)ということなんですね。

☆野口さんの「暑かった」については、じゃあアテネはどうするんだ、と言いたくなったんですが、まあ暑さ寒さって相対的なところも大きいと思うので、急に気候が良くなりすぎたために体が実際の気温以上に「暑い」と感じた、という理解をしてあげたいっすね。

☆大南さんももう少しぴしっとしてほしかったです。遊んでても25分台出ると太鼓判押されてるんだから。
【リーフの予想】

(2002.3.10 10:00AM確定)

【総評:野口さん、世界へ飛び立てるか試金石】

☆このレース、勝ち負けよりも、
我らが野口さんがフルマラソンでの適性をどうみせるか、という点に注目です。ハーフの距離では国内最強でありながらも世界の列強の壁には跳ね返される毎日。これがフルマラソンの距離に伸びたら勢力図のどこに入ることができるのか、関心はそこしかないわけです。

☆しかも十分な準備を積んでのチャレンジとなるわけで、これで30k以降めろめろになるようだと先はかなり厳しい。24分台くらいで走れればまだまだ先に道はつながるでしょうし、shibuの初マラソン世界最高を超えるようだといきなり世界のトップ級に顔を連ねることになり、日本女子マラソン界にとってはケニアとの覇権争いにも十分勝算を持つことができるわけです。いろいろな面で非常に楽しみ、だけど見るのが恐い、というのが正直なところ。

☆問題は気象状況。予想最高気温15度が心配。さらに風も少しありそう。昼から天気が崩れてきそうという予報が頼り。せめて曇ってくれれば大分違うでしょう。少しぱらっときても今日はむしろ嬉しいかもしれません。

☆印としては出馬表のとおり。▲は今回つけません(それくらい上位2人と差があると判断)。順位的には、


優勝 野口    24分台
2位 大南    25分台
3位 安部    28分台
4位 田中    31分台
5位 甲斐    32分台
6位 ロルーペ  33分台
7位 田辺    33分台
8位 ヤロシュ  34分台

くらいでどうでしょう。


【レース展開を斬る】

☆いやあ、今回の展開は読みにくいんで逆に考えるのが面白いですね。

☆今回はラビットらしきラビットがいなさそう(働かなさそう)なので、誰がペースを作るかという問題があるのですが。

☆といいつつ、
野口さんがいつものように先頭で行くと思っております。だって、それが野口さん。それがかっこいいんですよ。なので、自分で決めたペースで行ってもらって、他の選手がそれについていくことで前半は流れるということじゃないでしょうか。で、そのペースなんですが、少し抑え目でハーフを1時間12分ちょうどくらいでよろしいんじゃないでしょうか。そこからじわじわって上げていく感じでshibuの記録を狙いにいくという展開でいかがでしょう。

☆田中めぐみさんあたりが実はラビット参戦だったりすると、結構面白くなると思うのですが、それはないか。


【外国招待選手を斬る】

☆要はロルーペ先生の取捨選択次第なんですよ。で、あの来日写真。

なんか顔が丸いような気がするんですけど。

しばらく故障の治療してて、マラソン準備には1カ月。

2月には10日にクロカン6kで20分15秒の4位、17日に室内の3000mで9分8秒32の4位。いずれもエチオピアのアデレに30秒くらいの差を付けられています。

記者会見では
「最後まで走りきることを目標に頑張りたい」

…これ、どうみてもこないでしょ。よって
捨て置く。他も捨て置く。以上。


【国内招待選手を斬る】


☆はっきり言って、優勝争いは野口さんと大南博美さんの2人に絞られるといっていいでしょう。

☆まずは我らが
野口みずきさん(グローバリー)ですが、40k走も7回こなしたということで、距離への不安は完全に払拭されているようです。あとは本人の言うように自然とフルマラソン用走法が体にインプットされているものと思いたいところ。また、この時期に「目標は初マラソン世界最高」と言えるのは、それだけの裏づけがあるということでしょう。

わくわくどきどきしながら見させていただきます。

☆そして、今回かなり仕上がりがよいと評判の
大南博美さん(UFJ銀行)。竹内監督をして「去年の敬美より上」「遊んでても25分台は出る」「過去最高の仕上がり」と絶賛せしめる今回、優勝を狙える状態なのは確かなようです。しかし、冷静にレースを予想する竹内監督の「ロルーペ先生と野口さんを視野に入れてレースをすすめ、勝機を見出すしかない」という弱気ぶりから、断固野口さんに本命、と決断するに至りました。でも、大南(敬)さんもいい記録出してくれると思いますよ。

☆これに続く実績を持つのが
安部ちゃん(旭化成)甲斐さん(デンソー)なわけですが、上位2人とは差がある感じです。安部ちゃんは今回は自己記録更新をテーマにしておりますが、レース間隔も短いこともあって大きな変わり身も期待しがたい気がします。甲斐さんも疲れを残さないよう調整方法を変えたようですが、故障により練習があまり積めていないような印象を受けますので、評価控えめってところでしょうか。

☆スピードがある分楽しみな
田中めぐみさん(あさひ銀行)「先頭集団で行ける所まで行く」といいつつも「とりあえず完走が目標」ということで、今回はお手並み拝見というところでしょう。いきなり岡本治子さんレベルの結果を出すかもしれませんが、それはそれで褒め称えたいと思います。

【過去のレース模様】

(2001年)

 ボテザンとベルクトのペースメイクで、5k17分20秒ペースで淡々と前半は進む。22kでラビットがいなくなったところで集団は硬直状態。35k地点でも10人程度の集団。ここから松尾和美が真綿で首を締めるがごとくじわっとペースアップ。2k後には大南敬美とのマッチレースとなった。
 結局このマッチレースは競技場までもつれ込み、最後まで余力を残していた松尾がそのまま押し切り快勝した。

優勝 松尾和美     2:26:01

2位 大南敬美     2:26:04
3位 岡本幸子     2:26:21

(2000年)

 1k地点で、体が動くと感じたか橋尚子様が積極的に前で集団をひっぱったため、あっさり先頭集団が6人(サファロワ、麓、藤川、後藤、土佐、橋尚子様)に。6kで向い風に自重し橋尚子様が集団の中に入るやペースが落ち、12kすぎでは後ろからきていた大南姉妹に追いつかれ集団は8人に。
 14k手前で後藤が止まり、16kでサファロワが遅れ集団は6人になったが、ペース自体はあがらないまま中間点を1時間12分39秒で通過。
 さすがにこのペースではダメだと感じたか橋尚子様が残り20kでいよいよエンジン全開。麓みどりだけが付いていったが1kもたすのが精一杯で、後は橋尚子様の独壇場。日本最高の期待も抱かせた場面もあり、結局橋尚子様の圧勝となった。

優勝 橋尚子様     2:22:19

2位 土佐礼子      2:24:36
3位 大南敬美      2:26:58
4位 麓 みどり     2:27:55
5位 大南博美      2:28:32

(1999年)

 ポマク(ルーマニア)が速めのペースメイクで入りの5kが16分台と名古屋にしては異様なハイペース。あっという間に集団は減ってしまい、13kでは早くも6人。この内日本勢は川上優子(沖電気宮崎)と大南博美・敬美姉妹(東海銀行)の駅伝ではおなじみの初マラソン3人衆のみ。15kでペテルコワ(チェコ)、19kでモルグノワ(ロシア)も遅れて20kは4人で通過。

 20kを境に集団は完全分解。25kでポマクが御役御免となったところで川上が先頭に立つ格好となったが、マイペースで追走してきたモルグノワが25.5kで川上をかわして先頭に。川上はこの後完全にスローダウン。28kで大南(博)が2位浮上するも、さらにその後ろから10kで先頭から離れながらも粘って追走してきた市河麻由美(三井海上)が31kで大南(博)を捉え2位に。この後市河はペースの落ちたモルグノワを必死に追うもそれまでの差が大きくモルグノワの逃げ切り勝ち。

優勝 L・モルグノワ   2:27:43

2位 市河麻由美     2:27:57
3位 大南博美      2:30:19
5位 大南敬美      2:33:05
9位 川上優子      2:34:09

(1998年)

 バルブ(ルーマニア)がペースメイクするがかなりスローなペース。中間点を1時間14分余りで通過した時にはまだ20人弱という大集団でレースは進む。23kでバルブがペースメイクを止めた後はさらにペースがダウンするが、じわじわと生き残り合戦が繰り広げられて30kでは14人に。記録的には全く興ざめな展開が続く。

 その瞬間だ。マラソン史上に残る伝説の始まりだ。城見通2丁目の交差点で、高橋尚子様は小出監督の声に反応しギアを一気に入れかえる。すっと後ろにつくビクタギロワ(ロシア)。エゴロワ(ロシア)、甲斐智子(京セラ)もついていこうとしたが全く付いて行けない。暫く粘るビクタギロワも31k過ぎの上りで引き離される。独走高橋尚子様、後は時計との戦い。最後の12.195kを16分06秒、16分21秒、7分10秒でカバーする驚異のスパートで一気に日本最高記録まで突き破り、世界の女王への第一歩を踏み出したのだった。しかしなにより我々を驚かせたのは優勝直後のインタビューでの受け答え。とにかく走るのが好きという気持ちが全面に出た清清しさにも衝撃を受けたものである。

 2着はビクタギロワ、3着争いは39kで一旦前に出た甲斐をトラックで逆転した弘山晴美(資生堂)が入った。

優勝 高橋尚子様     2:25:48

2位 M・ビクタギロワ  2:27:19
3位 弘山晴美      2:28:12
4位 甲斐智子      2:28:13