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ちょっとだけ福岡国際マラソンを斬る!

【福岡国際マラソン出馬表】

※勉強不足のため、間違い等あるかもしれませんが大目に見てくださいね。
2001福岡国際マラソン(12/2・平和台陸上競技場発着)

世界最高:ハリド・ハヌーシ 
2’05”42(99シカゴ)
日本最高:藤田敦史     
2’06”51(2000福岡)
大会記録:藤田敦史     
2’06”51(2000年)
本紙 BIB 選手名 所属 自己ベスト 直近の成績(判る範囲) 寸評
ゲザハン・アベラ エチオピア 2’07”54 01・8・3世界選手権
@ 2’12”42
01・4・16ボストン
O 2’17”04
00・12・3福岡
D 2’09”45
サイモン・ビウォット ケニア 2’07”42 01・8・3世界選手権
A 2’12”43
01・4・8パリ
@ 2’09”40
00・12・3ミラノ
@ 2’09”00
デービッド・モリス アメリカ 2’09”31 01・10・7シカゴ
途中棄権
01・8・3世界選手権
途中棄権
01・5・20エドモントン
D 2’31”26
ドミトリー・カピトノフ ロシア 2’09”32 01・5・27レーゲンスブルグ
@ 2’12”18
01・2・18東京
B 2’11”09
00・10・1シドニー五輪
34 2’19”38
ピオトル・グラドキ ポーランド 2’11”06 01・5・21ウィーン
途中棄権
01・4・22ロッテルダム
23 2’19”11
00・10・29フランクフルト
G 2’14”05
ジョサイア・ベンベ ケニア 2’11”49 01・8・3世界選手権
途中棄権
01・3・18東亜
@ 2’11”49
00・12・3ミラノ
H 2’17”57
21 小島宗幸 旭化成 2’08”43 99・12・5福岡
C 2’09”09
99・4・18ロッテルダム
E 2’08”46
98・12・6福岡
D 2’09”50
22 清水康次 NTT西日本 2’09”00 00・11・5ニューヨーク
J 2’18”55
00・2・13東京
G 2’10”41
99・8・28世界選手権
F 2’15”50
× 23 小島忠幸 旭化成 2’09”10 01・3・4びわ湖
G 2’12”42
00・2・13東京
N 2’16”37
99・8・28世界選手権
36 2’24”29
24 渡辺共則 旭化成 2’09”40 01・2・18東京
途中棄権
99・12・19防府
@ 2’09”40
99・4・18長野
K 2’21”22
25 佐藤敦之 中国電力 2’09”50 00・3・5びわ湖
C 2’09”50
26 砂田貴裕 積水化学 2’10”08 01・8・26北海道
C 2’19”37
01・4・15長野
H 2’17”42
00・9・10ベルリン
C 2’10”08
27 松田和宏 佐川急便 2’10”24 00・3・5びわ湖
D 2’10”24
99・3・7びわ湖
C 2’12”25
98・12・6福岡
O 2’14”41
28 山本泰明 三井住友海上 2’10”44 00・11・5ニューヨーク
F 2’15”37
00・3・5びわ湖
E 2’10”44
99・12・5福岡
L 2’12”45
29 ダニエル・ジェンガ ヤクルト 2’11”49 01・3・4びわ湖
途中棄権
99・12・5福岡
I 2’11”49
× 30 家谷和男 山陽特殊製鋼 2’12”37 01・2・18東京
E 2’12”37
31 高岡寿成 カネボウ 1’29”23(30k)

【リーフの懺悔】

(2001.12.2)

☆おいおいおい、なんなんだよあのビウォットのていたらくは…。

☆ということで、ビウォットがカギカについていかなかった時点でもう覚悟はしてました、はい。どんどん落ちるペースを見て「思うつぼじゃんかよ、つまんねえなあ」ともう逆ギレ状態になってましたが。

☆あの展開になったらもうアベラしかいないでしょう。というかなぜみんな疲弊したのかわからないんですが。でも清水さんはよくやりました。いきなり「買い」を出せなかったのは小生の責任です。

☆とにかく、予想した展開にならなかったことを含めて大惨敗であります。頭を丸坊主にしたいくらい(しないけど)。

☆小島(弟)くんが期待したレベルまではいかないにしてもがんばってくれたのが唯一の救いです、はい。

【リーフの予想】

(2001.12.2 10:00AM確定)

【総評:「最強」必ずしも「最速」ならずや】
☆世界選手権1・2着が4か月の間隔で福岡にやってきました。記者会見のコメントからして、きちんと仕上げてきたものと思われます。ただ、
アベラが本当に高速の都市マラソンで勝てるのかについては少し疑問が残ります。シドニー直後とはいえそれなりに仕上げてきた中、藤田あっくんに完膚なきまでに粉砕されて後はメタメタという去年の光景を見てしまうと、流石にこのレースに関しては素直に本命には推せないというところです。それだけ今回はいい面子が揃っているよと。

☆後は何といっても
高岡選手がどこまでマラソン能力を身に付けたかが見れるのは嬉しいですね。結構ポール・テルガトも苦しんでおりますが、高岡選手はどこまでやってくれるのか。後は佐藤あっくんの2走目も含めて、男子マラソン界の勢力地図が大きく変わりそうな一戦と言えるでしょう。

☆ビウォットが2時間6分台を目的に福岡にやってきて、高岡選手も1k3分で押せる練習を積んできた今回は
6分台が優勝のボーダーラインとなりましょう。アベラにとっては辛い戦いになりそうです。

☆ということで印は出馬表をごらんください。

☆順位&タイム予想的には、

優勝 ビウォット 6分台
2位 高岡 6分台
3位 佐藤 7分台
4位 アベラ 7分台
5位 小島(忠) 9分台
6位 家谷 9分台
7位 松田 9分台
8位 カピトノフ 10分台

ってな感じで。


【レース展開を斬る】
☆基本的には例年と変わらないだろうと。キンタニラとチプあたりがラビット役となるでしょうから、素直に1k3分ペースで流れるのではないでしょうか。年によっては1k3分のラビットペースについていかないケースもありますが、まあビウォットや高岡選手あたりが1k3分志向のようですから、おそらくはそのペースで推移することになるだろうと。で、25k、30kとラビットが減っていったところで余力のある人がスパートするという、単純明快・高速サバイバル展開です。これ以上斬りようがない(笑)。ガチンコ勝負ですよ。

☆とにかく問題はラビットがいなくなったあと。
勝負を意識して牽制し始めると、それこそアベラの術中にはまるので、日本勢としてはビウォットの2時間6分台ペースに乗っかるか、もしくは自らその展開を作り出さなくてはなりません。その役割を担うのは…、やはり高岡さんしかいないでしょうね。

逆にアベラとしては、何が何でも「1k3分」をスタートから断固として拒絶し、5k15分10〜15秒のペースに有力どころを巻き込むべき。その挑発にビウォットが乗ればアベラの勝ち。あくまで自己ベストをビウォットに追及されたらアベラの負け。アベラが1k3分ペースでいったら文句無くアベラの負け。そんなレースかなあと思いますね。高岡・佐藤両名においても同じく、アベラを意識するのは結構ですが、意識しすぎるといいことなんか一つもないですから、見切るタイミングを逃さないようにしてほしいですね。


【海外招待選手を斬る】
☆とりあえず今年は2人でいいですね。

☆まず、世界大会2年連続制覇の
ゲザハン・アベラから。世界選手権以後も9月中旬のグレートノースランでハーフ62分52秒の4位に入っておりますし、記者会見で言う「優勝を狙っている」というのはウソではないだろうと。ただ、総評でも書いたように、「6分台もありうべし」と予想される今回の展開でアベラが最後までついていけるのかは疑問です。何か策が必要です、策が。

☆そして世界選手権では一歩涙を飲んだ
サイモン・ビウォット。世界選手権のビデオを見直しましたが、よくあのフォームでアップダウンのあるエドモントンのコースをあそこまで走れたものだと感嘆いたしました。安定感もついてきましたし、なによりロッテルダム、シカゴという高速コースではきっちり2時間7分41秒、42秒と出してきてるところも予想屋としては印をつけやすい選手なわけですね。「2時間7分を切るのが目標、結果として勝てればうれしい」と勝負よりも自己ベストの更新のために来たと公言するビウォット。確かに世界選手権以後にはRRWのレース結果には彼の名がないため、福岡一本に向けて調整をしてきたというのはウソではなさそうです。高速コースの福岡なら、彼の持ち味は生きてくることでしょう。

【国内招待選手を斬る】
☆今年は、結構粒が揃っていて面白いのでチョイスするのに難儀しました。そんな中、駅伝等の様子も勘案して、次の4人をピックアップしてみました。

☆まずはやはりこの人、
高岡寿成選手。九州一周駅伝では長い区間を2区間とも区間新でクリア。中国実業団駅伝では精彩を欠いたようですが、これをもって評価を落とすと、1999東京の山口さんのケースになってしまいますので、九州一周駅伝の出来を重視したいところ。「目標は負けないレースをすること、それが出来れば記録もついてくる」「監督の思っているとおりのスケジュールが順調にこなせていい状態がつくれた」とのコメントもあり、自信のほどがうかがえます。また日刊スポーツの記事にあった「フォームもスタミナロスを防ぐ理想のマラソン用に変わってきたという」というところにも注目。もしこれが本当なら、30k以降もいい感じでいけるでしょう。これは面白いです。

☆それから
佐藤敦之選手。これまたコメントからは自信がみなぎっていますですね。「自分の走りが後半できれば勝てると信じている」というあたりにも充実振りがうかがえます。高岡選手とどちらを上位にするか迷いましたが、今回は高岡選手に花を持たせてやってくださいと、そんな感じです。

☆旭化成勢で一番面白いと思っているのが
小島忠幸選手ですね。九州一周駅伝では3区間とも区間賞。新進気鋭の森勇気選手に32秒差をつけたというところも評価高いです。また九州実業団では区間新を出すなどスピードは申し分ないところ。今回は疲労を残さないような調整に変えてきているようですから、例えば98名古屋の橋尚子様のような感じで自らの殻を破ることを期待したいところなんですよね。逆にいうなら、これでダメなら完全に彼を見切りますけど(苦笑)。

☆それから、今年の成長株としては
家谷和男選手にも期待したいですね。今年の世界ハーフは24位ながらも62分46秒とアベラと同等のタイムできておりますし、さほど問題はないでしょう。関西実業団駅伝でも松田和宏選手に57秒差をつけての区間新を出すなど進境著しいところ。勝ち負けまではともかくとして、サブテンあたりは達成して欲しいところですね。

☆小島宗幸選手は、宗監督にレースを変えたほうがいいと言われたくらいの状態ですから、まさに「けじめをつけて前に進む」ためのレースなんだと思います。渡辺選手については、上記選手と比較すると駅伝シーンでの勢いを感じないので相対的に評価は控えめとなっております。清水選手も久々ですからここはお手並み拝見ということで。松田選手も気にはなるのですが、関西実業団での家谷選手との差が頭にこびりついてしまって…。

☆一般参加では、エチオピアのケベデはどうかと思ったのですが、今年は2時間17分台、2時間13分台と今ひとつのようですので気にしなくていいかなあと思いました。

【過去のレース模様】

(2000年)

 早い段階から選手がこぼれ落ちて行く典型的な高速サバイバル展開。28k過ぎでの給水を利用して藤田敦史が単独先頭に立ち、これにゲザハン・アベラとゲルト・タイスがつき3人の勝負に。31kでタイスが落ちてついにシドニー五輪王者アベラと日本期待のホープ藤田の一騎討ちとなったが、36k手前でアベラの疲労を確認したか藤田がスパート。そのままゴールし日本最高記録のおまけまでついた大勝利となった。

優勝 藤田敦史           2:06:51
2位 李鳳柱(韓国)        2:09:04
3位 アブデラ・ベハル(フランス) 2:09:09

(1999年)

 ラビットとおぼしき2人のケニア選手のペースに有力どころが反応せず。結局17kで先頭集団に吸収され仕切りなおしに。今度はラビットのペースメイクに集団は反応。ハーフを過ぎて再びラビットとの差が開き加減になったところで、まずそれについたのがヴァンデルレイ・リマと小島宗幸。縦長になったところでラビットの消えた28kから本格的レースのスタート。後方からジュリアス・ルトと一般参加のゲザハン・アベラが追いつき先頭は4人に。さらに後ろからモハメド・ウァーディが迫ってくるのを確認したところでリマがペースアップ。これにアベラはぴったり。リマと小島(宗)を捉えてウァーディが36kでついに先頭に追いつきそのまま逆に主導権を握る。リマは脱落、ウァーディとアベラのトラック勝負に持ち込まれたが、アベラが一歩抜け出て差しきり、エチオピアのマラソン代表の最後の切符を手に入れたのだった。

優勝 ゲザハン・アベラ(エチオピア)  2:07:54
2位 モハメド・ウァーディ(フランス) 2:07:55
3位 ヴァンデルレイ・リマ(ブラジル) 2:08:40
4位 小島宗幸             2:09:09

(1998年)

 序盤はラビットのペースに乗ったいい展開であったが、11kでジャクソン・カビガが果敢にも飛び出した。有力集団はカビガを無視したところ、これが大誤算。2位集団から抜け出した佐藤信之と小島忠幸がカビガに追いついたのはようやく38k。ここで佐藤がスパートしたが、カビガは余力を残していたかぴったり。逆に40k手前でスパートをかけたカビガの痛快な勝利となった。

優勝 ジャクソン・カビガ(ケニア) 2:08:42
2位 佐藤信之           2:08:48
3位 小島忠幸           2:09:10

(1997年)

 アトランタ五輪金のジョサイア・チュグワネと、アテネ世界選手権金のアベル・アントンの直接対決が実現したこのレースは、つとめてオーソドックスなサバイバルレースとなった。30kでラビットが御役御免となったところでチュグワネが猛然とスパート。結局そのまま押し切りチュグワネの快勝となった。36kで単独2位となった早田俊幸がそのまま2位でフィニッシュ。アントンは4着に終わった。

優勝 ジョサイア・チュグワネ(南アフリカ) 2:07:28
2位 早田俊幸               2:08:07
3位 佐保 希               2:08:47
4位 アベル・アントン(スペイン)     2:10:27