ちょっとだけびわ湖毎日マラソンを斬る!
2002びわ湖毎日マラソン(3/3・皇子山陸上競技場発着) 世界最高:ハリド・ハヌーシ 2’05”42(1999シカゴ) 日本最高:藤田敦之 2’06”51(2000福岡) 大会記録:アントニオ・ペーニャ 2’07”34(2001年) |
本紙 | BIB | 選手名 | 所属 | 自己ベスト | 直近の成績 | 寸評 | ||
◎ | 1 | アントニオ・ペーニャ(31) | スペイン | 2’07”34 | 01・8・3世界選手権 24 2’23”20 |
01・3・4びわ湖 @ 2’07”34 |
00・9・10ベルリン A 2’07”47 |
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▲ | 2 | フレッド・キプロプ(27) | ケニア | 2’06”47 | 01・10・28マドリッド B 2’11”24 |
01・4・8パリ B 2’09”43 |
00・12・3福岡 途中棄権 |
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○ | 3 | モハメド・ウアーディ(33) | フランス | 2’07”55 | 01・10・7シカゴ C 2’09”26 |
00・10・1シドニー五輪 G 2’14”04 |
00・4・7パリ @ 2’08”49 |
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× | 4 | ゼベダヨ・バヨ(25) | タンザニア | 2’08”51 | 01・8・26北海道 A 2’14”49 |
01・2・18東京 C 2’11”12 |
00・10・1シドニー五輪 61 2’26”24 |
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5 | シルビオ・ゲッラ(33) | エクアドル | 2’09”49 | 01・11・4ニューヨーク C 2’10”36 |
01・4・16ボストン A 2’10”07 |
00・10・1シドニー五輪 M 2’16’27 |
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6 | バルデナール・ドスサントス(32) | ブラジル | 2’10”15 | 97東京 E 2’12”48 |
96別大 A 2’10”27 |
95別大 B 2’11”14 |
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7 | パベル・コキン(27) | ロシア | 2’10”29 | 00・12・3福岡 26 2’23”03 |
00・10・1シドニー五輪 26 2’18”02 |
00・4・30クリーブランド @ 2’10”29 |
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8 | ワルデマー・グリンカ(34) | ポーランド | 2’11”40 | 01・10・14ポズナン @ 2’15”38 |
00・12・17防府 @ 2’11”40 |
00・10・15北京 O 2’19”35 |
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欠場 | 9 | ロムロ・ダシルバ(24) | ブラジル | 2’12”24 | 01・4・22ロンドン 24 2’43”52 |
01・1・28大阪 途中棄権 |
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10 | アルマンド・キンタニヤ(33) | メキシコ | 2’17”36 | 01・12・2福岡 途中棄権 |
01・4・22ロンドン 途中棄権 |
00・12・3福岡 途中棄権 |
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21 | 帯刀秀幸(25) | 富士通 | 2’08”52 | 01・9・30ベルリン O 2’12”50 |
01・3・4びわ湖 D 2’08”52 |
00・4・17ボストン P 2’17”24 |
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22 | 武井隆次(30) | エスビー食品 | 2’09”23 | 01・5・20エドモントン A 2’25”04 |
01・4・8パリ J 2’13”18 |
00・3・5びわ湖 B 2’09”23 |
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23 | 松田和宏(27) | 佐川急便 | 2’10”24 | 00・3・5びわ湖 D 2’10”24 |
99・3・7びわ湖 C 2’12”25 |
98・12・6福岡 O 2’14”41 |
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24 | 近藤重勝(27) | エスビー食品 | 2’11”14 | 01・2・4別大 C 2’11”14 |
00・10・15北京 K 2’15”40 |
99・3・7びわ湖 F 2’14”15 |
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25 | 添田正美(24) | 富士通 | 2’11”45 | 01・10・14北京 K 2’11”45 |
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26 | 小出真義(29) | 自衛隊体育学校 | 2’11”52 | 01・10・14北京 L 2’11”52 |
01・3・4びわ湖 H 2’13”15 |
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△ | 27 | 岩佐敏弘(27) | 大塚製薬 | 2’12”35 | 01・9・30ベルリン 21 2’13”59 |
01・2・4別大 D 2’12”35 |
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欠場 | 28 | 岡本佳久(28) | 旭化成 | 2’13”11 | 01・2・25延岡 @ 2’13”11 |
98・3・29信毎 A 2’18”32 |
97・8・31北海道 G 2’20”58 |
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29 | 方山利哉(28) | NTT西日本 | 2’13”48 | 01・9・30ベルリン 22 2’14”08 |
01・3・4びわ湖 途中棄権 |
00・12・3福岡 E 2’13”48 |
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30 | 酒井俊幸(25) | コニカ | 2’13”50 | 01・10・28フランクフルト E 2’13”50 |
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31 | 渡邉聰(25) | アラコ | H1’01”35 | |||||
× | 32 | 入船敏(26) | カネボウ | H1’01”36 | ||||
33 | 西川哲生(24) | YKK | H1’01”42 | |||||
34 | 野口英盛(22) | 順天堂大学 | H1’01”55 |
【リーフの懺悔(笑)】
(2002.3.9)
☆いやー、恐れ入ったー(またもや杉本清風)! ☆正直、一発屋やと軽視してた>武井さん まさにしてやられたって感じです。それに、諏訪選手、浜野選手といったところが一気に2時間9分の前半を叩き出して来たのは収穫ですね。予想屋としても、こういうのは嬉しい誤算です。特に諏訪くんについてはバランスの良さが目を引きましたね。今後は印をどんどんつけられる存在になることでしょう。 ☆初マラソンの野口くんは、ほとんどぶっつけ本番でもあそこまで走れたあたり、マラソンへの適性をしっかりとみせつけました。その一方で入船選手のデビュー戦はかなりつらいものとなりましたね。残念ながら今後の道はかなり険しいと思ったのが正直なところ。 ☆それにしても、ペーニャの失速は痛い誤算でしたわ。 |
(2002.3.3 10:00AM確定)
【総評:ペーニャ断然か。日本勢もアピールの大チャンス】 ☆日本勢の顔ぶれをみていますと、これからの日本男子マラソン界のスター候補がぞろぞろおりますゆえ(一般参加も要チェックです)、誰かブレイクしてくれないかなあと楽しみなところもあるびわ湖毎日マラソンです。 ☆ただ、優勝争いはどうなるかというと、やはりペーニャが頭ひとつ抜けているかな、と。日本勢としては、彼についていって好記録を出し、自信につなげて欲しいと思うことしきりです。 ☆予想最高気温は11度、北の風やや強いが雨の心配はあまりなさそうといった予報。後半向かい風では、ちょっと去年のような好記録は望めないかな。優勝は8分台に落ち着くんでしょうかね。 ☆印としては出馬表のとおりです。で、順位的には 優勝 ペーニャ 8分台 2位 ウァーディ 8分台 3位 キプロプ 9分台 4位 岩佐 9分台 5位 入船 9分台 6位 バヨ 10分台 7位 松田 10分台 8位 帯刀 10分台 くらいでどうでしょう。 【レース展開を斬る】 ☆最近よく言っておりますが、基本的に男子は力が拮抗しておりますので、殆どよどみなく1k3分ペースで流れるでしょう。おそらく少なくとも30kまではペースメイクをしてくれるであろうゲラ、彼が御役御免となったあとのガチンコ勝負、ということですね。そういうことです。斬りようがないね、仕方ないですね。 典型的なサバイバル展開、それが男子マラソン(高橋健ちゃんは別)。 【外国招待選手を斬る】 ☆正直、外国勢はアントニオ・ペーニャ(スペイン)が抜けていると思っています。本人は「背中が少し気になっているが順調」ということであり、ここらあたりをどう評価するかで印も変わってくると思うのですが、小生としては、1月16日の8.5kロードでガルシア、リオスといったスペインの超一流どころにもさほど離されず好走しているところを評価しましたので、本命という結論に達しました。 ☆一方、少し判断に迷うのがモハメド・ウァーディ(フランス)。欧州選手権を見据えてのテストレースと解釈すれば若干印を控えめにする必要があります。もっとも、トレーニングそのものはしっかり積んで来ているでしょうから、地力はあるのは間違いないところ。こちらも2月3日のクロカン(10k)でガルシア、リオスに負けているのですが、ガルシア及びリオスとの差という視点で見てみたりすると、やはり今回はペーニャの方が上位かなあという感じがしてしまいますですね。 ☆フレッド・キプロプ(ケニア)やゼベダヨ・バヨ(タンザニア)もコモンウェルス大会の代表権を取りたいという事情があるため気になるのは確か。両者とも体調もよいとのことですし。ただ、安定感という意味ではペーニャ、ウァーディに一歩遅れをとるところがあります。そこが強い印をつけにくいところ。キプロプには持ちタイムがあることですので一発は当然ありうるということで、上記予想印とあいなった次第。 ☆それから、ラビット役はゲラとキンタニヤがいますのでばっちりでしょうね。 【国内招待選手を斬る】 ☆いやあ、日本勢だけでみた上位争いはかなり予想が難しいですね。 ☆ちょっと気になるのは帯刀秀幸選手(富士通)の「2時間10分を切ることを目標にやってきた」という、8分台を持つ選手としては控えめすぎるコメント。単に、狙って10分を切りたいという意図ならいいのですが、実は少し不安があるのはないかという疑念が少し頭をよぎったりします。なので今回は印を控えさせていただいた次第。 ☆武井隆次選手(エスビー食品)、松田和宏選手(佐川急便)については、両者とも「2時間8分台」という狙いであり、練習も積めているようですので気になることは確か。どちらかというと、コメントの印象がいい松田選手に期待をかけたいところです。ただ、レース間隔が開きすぎているのが少しね…。 ☆そんな中、デビュー当時はちょっと好きになれなかった(もうしわけない)岩佐敏弘選手(大塚製薬)、ベルリンでは両足にマメができてもあのタイムでまとめたということと、河野監督及び岩佐くん自身からのコメントで「やることはやった、万全」という雰囲気がありありと感じられることから、日本勢一番手の評価をいたしました。犬伏さんを大ブレイクさせた大塚製薬陣営のノウハウに期待する、ということです。目標は2時間10分以内とのことなんですが、これはまあまだ10分を切っていないから控えめになってしまう、との解釈で弱気とはとらえませんでした。 ☆さらに、伊藤国光監督が「常に2時間5分・6分の話をしてきた」という入船敏選手(カネボウ)も、基礎スピードと目線の高さから要注意というところでしょう。「(高岡さんに)順位では勝ちたい」というあたり高岡さんくらいの結果をいきなり出してきても不思議ではないですね。 ☆他の日本選手としては、まずハーフの記録で招待された面々は中間点以降どうなるかが楽しみです。特に野口英盛くんには、あのフォームがマラソン向きだというところを示し、今春卒業の大学勢では最も有力株であるところをアピールしてほしいところです。あ、ハーフといえば48番浜野健選手(トヨタ自動車)も気になりますよね。また、今一番勢いのあるコニカ勢も要注目でしょう。それから155番の高橋謙介選手(トヨタ自動車)と野口くんの直近の先輩後輩対決も面白そう。そして漢・大村一選手も参戦(212番)。今年も美味しいところをもっていけるか(さすがに無理か)。 |
【過去のレース模様】
(2001年)
ゲラとバハがペースメイク。相変わらずの好ペースで63分16秒の中間点でもまだ20人程の先頭集団。30kでは8人まで絞られ、31.5kで小島忠幸、33kではデティが脱落。そしてゲラが御役御免になったところで先頭はペナ、レオーネ、森下由輝、油谷繁、帯刀秀幸の5人に。 35kからはペナが主導権を握り、25k、残り5kと仕掛けをいれ、最後は39k手前でスパートすると他を引き離し快勝。日本勢も油谷、森下が2時間7分台でゴールと好成績を残した。 優勝 アントニオ・ペーニャ 2:07:34 2位 ジャコモ・レオーネ 2:07:52 3位 油谷繁 2:07:52 |
(2000年)
ゲラとチプのペースメイクで、例年と同じく安定した好ペースでレースは進むものの、予想以上に集団は大きく、中間点でもまだ20人程度の大集団。 サバイバルな展開に11人まで集団が減った30kで川嶋伸次(旭化成)の第1弾スパート。ようやく落ち着いた32kでは集団は6人に。ここからさらに川嶋は第2弾スパート、他の4人を振り切り、フィス(スペイン)とのしのぎの削りあいとなった。 互いに仕掛けあいながら並走を続けていたが、残り4kでフィスが満を持してスパート。ついに川嶋は力尽き、フィスの2連覇達成となった。、 優勝 M・フィス 2:08:14 2位 川嶋伸次 2:09:04 3位 武井隆次 2:09:23 4位 佐藤敦之 2:09:50(学生最高) |
(1999年)
序盤から安定した好ペースでレースは淡々と進み、20kを11人で通過。タイムは1時間と9秒とかなりよい。エスピノサのペースメイクに松田和宏(佐川急便)だけがついていく。後の9人は自重。22kで集団は一つになるがすぐに縦長に。そして 前:エスピノサ、松田、フィス(スペイン)、実井謙二郎(日清食品)、ガイドス(ポーランド)、ヘーズス 後:藤田敦史(駒大)他3人 と二つに集団が割れる。27kで実井が落ちて結局棄権。28kで松田とヘーズスが遅れ加減で先頭は3人。藤田が松田と並走で前を追う展開になったが、藤田が迫ってくるのに気づいたか、フィスがペースをあげる。29kでガイドスが遅れ、エスピノサは30kまでフィスを導いてお役御免となり後はフィスの一人旅であった。 一方2位争いは30kで藤田、松田組がガイドスを捕らえ2位グループとなる。さらに31.5kの給水で藤田が単独2位に浮上。フィスを追うも既に勝負はついた後だった。 優勝 M・フィス 2:08:50 2位 藤田敦史 2:10:07 3位 G・ガイドス 2:11:37 4位 松田和宏 2:12:25 |
(1998年)
ラモス(ブラジル)、ゲッラ(エクアドル)のハイペースなペースメークで5kを14分58秒で通過した時にははや先頭集団は10数人になる。5kから10kは14分35秒と明らかにオーバーペースで早くも先頭は10人、しかし流れに乗ったか10人共こぼれず20kを59分50秒で通過。自制した高橋健一(ダイエー)が25秒差位で1人前を追う展開。このまま25kまで推移。 26kでラモス、28kでゲッラがお役御免となって8人になってからが勝負の始まり。28.5kで磯松大輔(コニカ)がまず脱落。29k過ぎでF・キプロプ(ケニア)がスパートし集団が小島宗幸・忠幸兄弟(共に旭化成)とキプロプの3人の前の集団と、三木弘(旭化成)、清水康次(NTT中国)、フィス(スペイン)の後続集団に割れる。ゲブレ(テクモ)は脱落。 35kで小島宗幸がスパートし小島忠幸、キプロプを引き離す。後続集団からはフィスと清水が残り5kで2位集団に浮上、先頭を追いかける。しかし流れに乗った小島宗幸と流れに乗りそこなったフィスとの差は歴然。小島宗幸は殊勲の金星となった。。 優勝 小島宗幸 2:08:43 2位 M・フィス 2:09:33 3位 清水康次 2:09:57 4位 三木 弘 2:10:01 5位 小島忠幸 2:12:43 |