第1回 「星をみるひと」(1987:ホット・ビィ)

(クソ審レビューの状況)

★第3回クソ審にてレビューされた時の印象は、「いきなりマップに放り出される」「最初の町が表示されていない」「敵に出会っても逃げられない」「貧弱な主人公」というものであった。

(攻略第1・2日)

★相変わらずいきなりマップに放り出される主人公。名前は「みなみ」くんだそうだが、姓名どちらなのか説明書がないのでようわかりません。最初の町(村だけど)を歩いていると、姿が消えている理由がわかった。町人によるとそれは、

みんなの力をあわせて消している

そうである。なんだそりゃ。

★クソ審レビューで、敵の凶悪さと主人公の虚弱さは露呈されているので、戦闘1回ごとに回復&セーブをするのは基本戦術と認識し愚直なまでに履行。ステータス確認も忘れない。そこで気づいたこと。

主人公スタート時のレベルは何と「0」。スコールですら7からスタートなのに。

HPは50。しかしレベル1で150、レベル2で300と急激にあがりはじめた。やれやれこれで普通に戦えるなあと思ったら大間違い。攻撃力守備力に変化は殆ど無いので結局すぐ瀕死になることには変わりはない。そうこうしているうちに、パスワードのうち2つの文字が素直に同じような変化を見せているのに気づいた。…30分後、

経験値MAXまでふりきれちゃったよ、おい。

ちなみにHPは約30000。FFシリーズもびっくりですな。だけど武器をつけてないと相変わらず相手に与えるダメージは2とか3なのでびっくりです。ただ、防御力は上がっているようで単なる打撃では殆どダメージは食いません。単に打たれ強くなっただけと言えそうな気がします。それから、レベルがあがると何がいいかって、このゲーム、障害物をジャンプして飛び越せるんです。それも1個だけじゃないよ。例えば経験値がMAX状態のみなみくんは4つ連続した障害物や水を飛び越せます。というかそれができないと行けないとことかありますからね。「ドラクエ1」だといきなり竜王の城に行けてしまう夢のような能力です。斬新です。

★で次の村らしきところ(「でうすの村」というらしい)に行くと、病気が蔓延しているので薬をくれといわれる。この世界では木の実を3種類調合するとその組み合わせでいろんな薬ができるようなのだ。町の中で、木のグラフィックの上に重なると木の実が取れるところが何箇所かあるのです。でも、村の中だけでは必要な木の実が全部揃わないので、別の場所に行こうと村を一歩出た瞬間、事件は起こった。なんと、一瞬にしてスタート地点に戻されたのである。自動ルーラ機能付き主人公。
まあ、あちこち探して薬を作って持って行くとまあ感謝されて、「あーくCITYのかつま大佐に会うといい」といわれ今度はかつま大佐を探すことになったのです。途中ダンジョン(障害物をジャンプできるので最早ダンジョンじゃなくなってます)内でかつま大佐に会うのに必要のような感じもしないではないIDカードを宝箱も何もない通路で偶然拾い、またシバとかいう奴を助け出し仲間にします。問題はこのシバ、バグのせいかステータスがわかりません。武器も防具も持たせられません。どうすればいいんでしょうね。しかしこのシバも予想通りちょちょいとパスワード操作で経験値MAX。さあ冒険はここからです。(続く)

                   【現在のプレイ時間:約3時間】

(攻略第3・4日)

★言い忘れてたんだけど、この世界の道具屋、価格は店頭表示してません。

★あーくCITYらしきところをしばらくうろつくところまでは行っていたのだが、ここで1時間程度時間をロス。CITYの中枢部が別のところにあったんだけど、ダンジョンに固執しちゃったんだよね。あいかわらず酷い時には1マス進むだけで敵が出る脅威のエンカウント率だし。無駄な時間を費やしました。
 さて、ようやく中枢部(のうちそこは行政区)に乗りこんで研究所などに行ってみたのだが、何か牢屋っぽくていやーんな感じ。鉄格子っぽいマスがあるので、多分これがIDカードがなくては通れないマスなんだろうと思い通過。中にいる人と会話し、さあ戻ろうとしたその瞬間、事件は起こった(またか)。なんと、その鉄格子っぽいマスに跳ね返されて出られないという最悪の展開。アイテムを確認するとIDカードがなくなっている。電車の切符じゃあるまいし。泣く泣くパスワード(いつでもどこでもパスワードを見ることができるのが救いである)をメモってリセットせざるを得なかったのでした。

★あ、それから別のキャラのステータスを見る方法がやっとわかりました。単純にセレクトボタンでよかったんですね。するとフィールド上のキャラが変わって、例えばシバになったら「ジャンプ(簡単にいえばルーラ)」が使えたり、武器を持たせたりできるわけです。いやあ、バグだと信じて疑わなかったあたり、このソフトの実力が伺え知るところです。

★ということで次回はあーくCITYでリベンジであります。(続く)

【現在のプレイ時間:約5時間】

(攻略第5日:99.6.26)

★クソ審レビュー等で見ている人が多いかと思ってあえて書いていませんでしたが、このゲーム、移動が非常にのろいです。時々ひっかかった感じにもなります。それから、戦闘で入力ミスをした場合キャンセルは効きません。逃げられない点といい、情け容赦無いところに漢(おとこ)を感じさせます。

★さて、行政区をまわってみたものの、IDカードが高くてそんなに買えない(というかIDカードを売っていること自体問題では?)ため一部の住人には話が聞けません。しかしどうもここにはあの「かつま大佐」はいなさそうなので居住区に行ってみようと行政区を後にする。その瞬間、事件は起こった(またかいな)。

今度はダンジョンの中に放り出されました。

それがあーくCITY行政区を見つけるまでにさんざんうろうろしていたダンジョン(既にただの大部屋と化してますが)だったんでもう移動するのが嫌になってシバの能力で最初の村に帰りました。っていうかあーくCITYへ行くためには最初の村の中にある(当然スタート当初は入れません)をくぐって行くのが一番早いし。最初の村にステータスを無料で全回復してくれるエスパーの人がいるし、まあとりあえずなんか一区切りの時はスタート地点に戻るんですね。

★で、やっとこあーくCITYの居住区についたら、おバカなメッセージを返してくれる住人がいるわいるわ。っていうか居住区なんだから家に住んでそうなんだけど、その家はどうみても牢屋。しかも例のあのIDカードを奪い取る扉らしきものまである。仕方ないので壁をジャンプして侵入。案の定「私の部屋に入らないでくれ」と怒られたりする始末。うろうろしていたら初めて見るピンク色の服を着たキャラが。話しかけるとその「あいね」とかいう女の子があっさり仲間になりました。「ドラクエ2」であれだけ必死になって仲間を探したり犬から人間に戻したりした苦労は無駄な行為だといいたいのでしょうか(笑)。

★たまたま居住区に武器屋・防具屋があるので早速あいねちゃんに買ってあげようとしたところ、お金が足りないといわれる。そんなはずはないとステータスを見て納得。なんとお金は個人管理。私有財産制とは恐れ入った。でも道具は共同管理。でまあ、またすぐ経験値をあげるパスワードの法則が見切れたのでちょちょいと経験値MAX…にならず「少しはやるな」とか思ってたら単にパスワードの文字を入れ違いしてただけ(「つ」と「フ」とかわかりにくいの多いんす)で、結局あっさり経験値はMAXに。

★しかしこのあいねちゃん、テレパシーの能力が使えるんですが、これが町人に対してやると非常に面白い。同じ台詞しかいわない人でも、心の中ではこんなことを考えているんだ、というのがわかって非常にほのぼのとした感じになります。とても斬新です。でも内容的にはやはり少しおバカな感じがしないでもないです。どんなことを人々が考えているのかについてはまた後日に書くこともあるかと思います。

★あーくCITYの別のダンジョンを探索してたら、遂に宇宙に出ました。でもすぐに最初の村にシバの能力で戻ったのであまりよくわかりません。とりあえず次は宇宙を散策する(何か違う…)のがメインになりそうです。(続く)

【現在のプレイ時間:約6時間半】

(攻略第6〜9日:99.7.4)

★ということで少し煮詰まったのでここまでのところをまとめて報告。

★経験値ほど単純ではないですが、お金のパスワードのいじりかたもなんとなく読めたので、取りあえずは助かってます。シルバーIDカードなんかすぐなくなるくせに2000Gもするし。

★まずはありとあらゆる人に、あいねちゃんのテレパシーで心を読む作業に没頭。するとアークCITYの行政区にかつま大佐を発見。いきなり「わしはお前達など知らん!」というおっさんがそうであった。しかし心の中で、
「わたしがかつま大佐だ!」
と考えている奴などいるのか?よほど自意識過剰なおっさんとみた。さて、それではと思ってもう一度会話モードで話そうとしたら、「わしは(略)」と再び拒絶。結局情報屋に金を払って話しを通してもらわなければならなかったのだった。で、何かしてくれるのかと思ったら、ただ「ゴールドIDカード」をくれるだけ。それって、店で買えるじゃん。

★そうそう、IDカードを店で買えるのは問題では、と先日指摘していたのだが、これは
スリのグループがスリをして集めたカードを売り捌いていたのであって、いわゆるブラックマーケットということだったが、行政区のど真ん中で白昼堂々と営業をするのはどうだろうか。

★テレパシーを使えるようになって少しずつ背景がわかってきました。以下にそれをまとめてみましょう。

・この世界は実は巨大な宇宙船(スペースコロニー)で、もうかれこれ600年もの間移住できる惑星を求め宇宙をとんでいる。
・この世界は「クルースリ」の巨大コンピューターが管理している。
・「クルースリ」は遺伝子操作を行ってモンスターをたくさん作っている。
・サイキック(主人公達)は遺伝子操作の結果生まれた。
・コクピット(ダンジョンの1フロアにしか見えなかったが)、にいたイルカやシャチも遺伝子操作で生まれた知的生命体である。
・イルカは人間は見捨てているが、サイキックと共に「アクア(移住先のことか?)」での共存を考えている。
・一方シャチは人間ともサイキックとも共存は考えていない。
・サイキックはアークCITYへの入り口となる海域をわざと汚染したらしい。
・↑てな感じで人間はサイキックを憎み、迫害してきた。
・アークCITYの研究室では全く新しいミュータントを作る研究をしている。
・最近「クルースリ」の使用電力が増えてきている。
・「クルースリ」のそばで働く人がよく病院に入院してくる。

…ということで「クルースリ」とは何(どこ)か、コクピット以外にイルカ達がいる部屋があるそうだがそれこはどこなのか、「アクア」とはどんなところか、そして4人目の仲間はどこにいるのか、などの課題を前に煮詰まったのであった。

しかし、攻略HPや『ユーズド・ゲームズ』を見ずに自力で解いてやるんだから!(続く)

【現在のプレイ時間:約11時間半】

(攻略第10〜11日:99.7.10)

★他にイルカ達がいるという部屋を探したものの2時間位見つからなかったのですが、実は宇宙に出た時に行ってない一角があってそこにその部屋(ラボラトリー)へと続くダンジョンが続いてたのでした。

FF8に先駆けて宇宙で迷子になっていたというわけです。

★さて、ラボラトリーに着くとどうもコンピューターらしきものがいくつか置いてあったりして、そうかここが「クルースリ」を扱っている研究所というわけか、と妙に納得した次第。そこでここにもいる骸骨とテレパシーで話しをすると、「やつらと話しをするにはテレパシーレベルが5以上しつようだ。」とのこと。「しつようだ」ってあなたどこの出身ですか?ともあれ、レベル上げの必要性が実はここであったようだが、当然こちとら経験値はMAXなので知ったこっちゃない。それからやはり新しい水の惑星が「アクア」で、「クルースリ」で惑星改造を行っており、またサイキックはイルカ達と話しができるアシスタントとして生み出され「アクア」へ集められたらしい。
 ともあれ、あるイルカに「リーダーの話を聞いたか?」と言われたので、多分コクピットにいる奴だなとコクピットに戻り話をすると、「代表と話がしたい。君達を代表として認めるか他の者に決めてもらう」と言われる。またとんぼ返りでラボラトリーへ。そこで最終宣告を受ける。

サイキックに残された選択肢は「イルカ達ともどもアクアに移住する」か「新しい星を求めて旅を続けるか」の2つ。

これをまたとんぼ返りしてリーダーに返事しないといけないのだった。否応でもクライマックスへと突き進む気配。

★そしてついにイルカのリーダーの前に。決意を述べる時がやってきた。コマンドウィンドウに示された我々の選択肢は、

@アクアへ行く。 A残る。 B戦う。

…サイキックは戦闘民族なんでしょうか。まあいいや。さて、結論からいいます。この3つの選択肢、どれを選んでもここでゲームは終了です。何と時代を先取りしたマルチエンディング!ちなみに一応ベストエンディングは「@アクアへ行く」であります。ただ問題は、飛び去ろうとする宇宙船の絵1枚だけとテキストメッセージで何の余韻も無くゲームが終わること。しかもどのエンディングも同じ絵。僕は暫くの間呆然としてしまいました。さらに多くの謎は謎のまま。仲間も4人揃いませんでした。捕らわれたあいねちゃんの友達は?イルカとシャチの対立は?なにより、

最初の村の姿はなぜ消す必要があったの?

重苦しい世界観や、謎を中途半端に残すところなどを考えると、A野監督は4年間かかって本人いわく「壊れ」てまでこのゲームを解き、その末に「エ○ァ」を思いついたと考えられます(笑)。

【総プレイ時間:約15時間】

(総括)

★とまあ、いろいろと茶化して書きましたが、まとめると以下の通りです。

【気に入った点】

@あの時期にこのような舞台設定のRPGを出していたのはとても素晴らしい。
Aテレパシー能力により町人の心の中を覗けた点。そう、人は誰もが覗き見大好き。国民総背番号だってそうさ!
Bパスワードが解読しやすかった点。大分時間短縮できました。
C町人のキャラ及び台詞が個性的。ホント、おバカな人ばっかり。
D「ガスター10」のCMで思いついた人も多い「薬剤師」→「ヤクザ医師」のネタをいち早く採用しました。
E日本でいち早く「ストーカー」という言葉を紹介しました。
Fその戦闘中だけとはいえ、「敵を仲間にする」という概念をこの時期に持っていたこと自体すごいです。

【気になった点】

@やっぱ戦闘時のバランス。逃げられないし、ストレス溜まりまくり。
A暗いというか、寒色系の色合いが多いので気が滅入ることも多かったです。
B1回しか使えないIDカードには未だに納得がいかないぞ。部屋から出られずリセットとは…。
Cもう一山か、と思ったとたんにいきなりエンディング。しかもアドベンチャーゲームのバッドエンドみたいな終わり方にはかなりずっこけました。

【最後にひとこと】

★そのゲームバランスの悪さから、ファミコンクソRPG史に燦然と輝きつづける『星をみるひと』であるが、「最初の村がフィールド上から消えているのは、村人が力を合わせ姿を消しているため」という基本的なことも知らずバグだなんだと騒がれていることを考えてみても現在の評価が余りにも偏見に満ちたものであることはいうまでもない。
 実際プレイしてみると、戦闘中及びIDカード絡みでかなり不愉快な思いをするのは事実としても、それ以外では随所に普通のクソRPGにはおよそみられないような着眼点の良さが感じられ、正直言って「凄く惜しい」というところである。
 ホット・ビィのRPGは『星をみるひと』以外には白鳥の歌となった『バズー!魔法世界(SFC)』しかないのであるが、『星をみるひと』があまりにももったいないことをしているだけに、センスはそのままにゲームバランスを整えた良い作品であることを期待しつつ是非プレイしたいと感じている。既にブツは入手済みであるのでまた近いうちにレビューすることもあるだろう。

『星をみるひと』についてさらなる研究をしたい方は以下のサイトなどいかがでしょう。

星をみるひと非公式ホームページ

 登場人物、敵キャラの情報が充実です。攻略ページが拡張中なのですが、これの完成を心待ちにしている人も多いはず。画像(正式名称なんていうんでしょう?あれもバナーっていうんですかね?)がめっちゃ面白いです。

「星をみるひと」のページ

 音楽が凄くいいです。当時でこの音が出せてれば…。FAQもあり普通困るような問題点は大体これだけで解決します。独自で統計を取った相手の攻撃パターン割合も見逃せません。