「国立大学大学院」

以下は、「新潟大学大学院自然科学研究科後期課程」に間してアイデアを求められたときに、メールで送付したものである。少なくとも幾人かの教授には気に入らない内容のようで、これらの意見はもみ消された模様。

博士後期課程の充実を目指して、特別コースの提案がされている。その主な理由は、「後期課程入学者は留学生、社会人が多く、前期課程進学する日本人学生には、魅力的なものになっていない」となっている。つまり、学位を取った後の就職に不安をもつ前期課程からの進学者を、少しでも優遇し、進学者を増やそうとする体制づくりのようである。これは明らかに、留学生や社会人への差別である。少なくとも、優秀ならばそのコースに入れるようにすべきである。そして、他に教員が行える「体制づくり」はいくらでもある。たとえば、

1、アカデミックポストの人員の流動性を大きくする。
つまり、教員の殆どに任期をつけて積極的に移動させることにより、より若い研究者やポスドクの人にも多くの就職チャンスがうまれる。もちろん、全国に先駆けて行い訴えていく。 現状は、任期付のポストにある教員すら、任期がきたら基幹学部に移動することが多く、実質ごまかしでしかない。

2、教員の定年を早める。
定年を60にするだけで、組織は若返り、大いに活性化する。研究者を目指す学生にも多くのチャンスが生まれ易い。これを行うと、教授一人分の給料で、助手なら二人、ポスドクなら3人は雇えるため、OD問題も緩和される。


また、学位取得者の質の向上を目指し、その価値を高め企業や社会にとっても魅力的なものにするための提案。

1、原則として、学位の取得条件を単著論文1篇以上とする。つまり、学生も教官と独立なテーマを研究する。もちろん、必要に応じて、指導教官はこれに対し、議論し、アドバイスをする。研究費をだして、議論し、アドバイスを与え、論文の添削をしたくらいでは、指導教官が共著者にはならない方が、学生の研究に対する自覚を養成し、質の高い学位取得者が生まれ得る。

2、修士、博士課程共に(特に、博士の場合)入学とは別に、学位のための研究実地資格試験をする。米国などでは当たり前の、Ph.D 候補者の資格と同じ考えである。入学しても、勉強を重ねその試験に合格しなければ、研究する資格を与えないということである。
(2002/01/)

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