メンテナンスバッグの中身


演奏・レッスンを問わず、馬頭琴と必ず持ち歩くバッグです。
倒れた魂柱を立てる・・・から、弦の交換・簡単な割れの修理まで、
このバッグ1つで、対応可能です。



バッグ本体

日曜大工センターで購入した工具ケース。
丈夫で、中・外にファスナー付きポケットがあり、けっこう大きな物も入ります。

修正ホワイトペン

ネックのポジションマークを付けるのに使います。爪やアルコールで簡単に除去できます。1号の裏板のボラグ先生のサインは、これで書かれています。

シャープペンシル&
マジック 

切る位置の印を付けや、CDや馬頭琴にサインを貰ったり?

1つだけ飛んでいる音を1発勝負で出さなければならない時、こっそり弦に印を付けたりします。

マイナスドライバー

内モンゴルの糸巻きを交換する時の必需品です。

裏側をマイナスネジ1本で締めてあります。普通締めた後、上から塗料が塗ってあるので、かなり固着しています。

自動車整備用の精度の高いものを使用しないと、使われているネジが柔らかいので、なめる(溝が崩れる)原因になります。

切り出しナイフ


普通の切り出しよりも、刃が細長いタイプの方が使いやすい。 
ラジオペンチ&はさみ  


テイル
ピースの穴に固着した弦を外すとき等、弦を力を入れて引っ張る時に有効です。

切れた弦や弓の弦(つる)の端っこを、そのままにしているのを見かけますが、きれいに処理しましょう。
ヤスリ各種   

平らな物は駒の高さ調整・上駒の製作等、

半円の物は駒の接地面の調整等、

細い丸棒は、駒の弦を乗せる溝を彫るのに使います。



紙やすり 

駒の高さ調整・弦を通す穴のエッジの処理・ネックの塗装剥ぎ等に使います。耐水ペーパーの♯400・♯800を用意。
 
のこぎり

魂柱を切る・下駒を整形する時に使用します
かまぼこ板 

のこぎり・切り出しで削る時の台として使います。

下部の切り込みは、アールの付いた表板と下駒の接地面を合わせるときの、補助に使います。

金槌(小型) 

特に○○○用ではありませんが、何かと重宝します。
魂柱立て&補助針

魂柱を立てる・位置を調整する時の必需品。バイオリン用を流用。
F字ホールの木部保護の為、金属部にビニールテープを巻きます。

通常バイオリン工房では、魂柱立ての片側の刃のみで立てますが、訓練を積まないと難しいです。が、この針に魂柱を刺して立てたい位置に左手で保持し、右手の魂柱立てで魂柱の下部を押し込むと、かなり楽に立てられます。
また補助針は、倒れた魂柱を刺して取り出すときにも、便利です。

この針は、手元にあった金属棒の先端をヤスリで尖らせました。入手しやすいものを探したところ、東急ハンズに畳針がありました。

この針は、モンゴル国の馬頭琴の、糸巻きに通して止めた「弦のこぶ」を解く時にも重宝します。




 

交換してから安定するまでに、2日間程度かかるので、演奏直前に交換はしません。




モンゴル国の工房では内モンゴルから弦を輸入しているとの事なので、内モンゴル製を使用しています。

本数が少ない・1本の太さが細く切れやすい・2本とも同じ太さだった・・・から、最初から編みこまれていた場合、長さが足りない事も。
ワイヤー

弦を交換するときに使います。
テイルピース・馬頭・糸巻きの穴に弦を通す時、簡単です。

もっと細い穴に通す場合は、糸を巻く・・・という秘技があります。



音叉 

弦交換の時、おおよその弦の絡みを整えます。

また弾いているうちに「撚り」が入ってくるので、整える時に使用します。
櫛(猫用)

弦交換の時、音叉でおおよその絡みをとった後、更に弦の絡みを梳いて整えます。ホテルのプラスチック櫛→柘植の櫛→たまたまあったネコの毛梳き用の櫛、使ってみたところ、細かさが最適でした。
 
木綿糸 

交換する弦の3つ編みする根元を縛ったり、ワイヤーを使用できない小さな穴に弦を通す時に使用します。

何の糸でも良いですが、滑りにくさと強度が、選択ポイント。

弦に20回ぐらい巻いて糸の端を穴に通し引いてやると、すんなり細い穴でも弦が通ります。
接着剤

フランクリン社のタイトボンドを、少量容器に入れています。木と同じ硬さに硬化します。

瞬間接着剤 

普段使いませんが、このタイプは「ふた」がしっかりしているので、長期間保存可能です。
ペインティングナイフ&?

たしかプラモデル用の物だと思います。
隙間の接着や薄く接着剤を延ばすのに便利です。

下の「?」は、隙間を広げて接着剤を塗りやすくします。
チューナー(笛型)

耳の訓練用に使用します。「G]のところに蛍光テープを張って、判別しやすくしています。

演奏の時は「SEIKO製」のものを使っています。頻繁に使うので通常は馬頭琴ケースに入れています。

ボディ貼り付け形「EDM」は、誤作動が多く今ひとつ。BOSSの12Hも、馬頭琴には少し神経質過ぎるようです。
お勧めは、KORGのDT−3
コンタクトマイク(クリップ式)


クリップ式のコンタクトマイクを付けて置けば、大勢で練習中でも、チューニング可能です。

貼り付け型もありますが、おそらく振動の為でしょう、落ちてしまいます。
松脂 

無いと死活問題なので、予備を必ず入れておきます。実際に忘れた経験があります。

通常使用するものは、馬頭琴ケースに入れてあります。





爪切り

人差し指・中指の爪が伸びていると、指板に当たって痛いので、2日に1回程度切ります。また薬指・小指の伸ばした爪の調整にも使います。

けっこう本番前に気づく事も多く、必需品です。
黒檀板 (1ミリ厚・2ミリ厚)

上駒の高さが足り無い時・接地面が小さい時や、ネックとボディの接合部のがたつきの修理などに使用します。
下駒素材

自分の愛器には、最適な駒をセットしてあるので、これも主に、新しい楽器の調整用(音質・高さ)です。

内モンゴル用にビオラの駒各種(硬めから柔らかめの物まで)、モンゴル国用に主にアルゴサン工房のものを用意しています。

ビオラの駒は一般的に、硬め・色が茶色・寝かせてあるものが良いとされていますが、馬頭琴にこの公式は当てはまりません。

切った端材は、高さをあげる時の素材として保管します。
上駒各種

自分の愛器には、最適な駒をセットしてあるので、これも主に、新しい楽器の高さ調整用です。
魂柱素材

以前は日曜大工センターで購入していましたが、現在はバイオリン用(7ミリ径)・チェロ用(8ミリ径)を購入しています。

年輪の通った、曲がりの無いものを選びます。

モンゴル国で8ミリ径・内モンゴルで7ミリ径が標準です。
テイルピースを止めるヒモ? 

この部分は、馬の尻尾・使い古しの弦を、3つ編みにしている場合が多く、切れやすいです。特に馬の尻尾は耐久性がありません。
最近内モンゴルでは、写真のバイオリンと同素材(長い)を使用。
下の2本はバイオリンのものです。


金属面取り器

内モンゴルの糸巻きの穴のエッジの処理が不十分だと、接触している部分の弦が切れます。突然全部の弦が切れることもあります。ヤスリ・面取り器・紙やすりで充分に処理します。

ライト 

魂柱の立ち位置の確認とか、バスバーの剥がれとか、馬頭琴の内部を覗く時に使用します。

アルミ板

弓を長く使用していると、弓の毛箱の部分が「がたつく」ことがあります。最初から・・・という弓も多く見られます。応急処置として、缶ビールのアルミを長方形に切って、毛箱と弓の接点に挟んでやると、収まります。

予備電池

チューナー用の9ボルト、ライト用の単4を用意しています。チューナーの電池切れは突然やってきます。文化センターや小学校の近くなどでは、コンビニが無いことも多いのです、後悔先に立たず。

バンドエイド 

たまに包丁で左手の人差し指の爪を削ぐというアクシデントがあります。その時に使用するものですが、普通のバンドエイドと違って、傷パットが無いので、演奏に支障がありません。・・・が剥がす時とても痛いです。普段あまり練習出来ない人が、合宿などで長時間練習すると、爪の付け根の皮膚から出血することがありますが、そんな時にも。