2015年3月31日(火)
「ぼんやりしてると指潰すぞ・・・」の真意とは?

 爽やかな晴れ空、強めの風も心地よい。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。梱包作業後、昨日擦り傷を付けた細幅長材のエッジに傷入れ作業が・・・延々と続く。水性塗料で着色を済ませ、残業無しで内職終了。

 2月の誕生日直前・・・内職先の呆け老人に、細幅短尺の板材の束を右手親指に叩きつけられた。レントゲン写真ではヒビが入っていて、腫れが引いて患部の鈍痛が無くなるまでに2週間を要した。40日を経過したが、親指に力を入れると関節部が痛み、指先の神経が麻痺したままである。運がよければ、2ヶ月ぐらいで回復するかも・・・という整形外科医の診断。テーピングで保護して・・・出来るだけ使わず、ビタミンB12を飲むだけ・・・。

 本日私の手元にある短尺の板材の上に、板材を載せようとした呆け老人が発した言葉が、「ぼんやりしてると指潰すぞ・・・」である。今日も・・・テーブルの上の板材を取っている最中に、いきなりテーブルを移動された。何をやらかすか解からないので・・・戦々恐々としているので、断じてぼんやりなどしていない。

 先月も本日も・・・注意するべきは呆け老人のほうで、私の不注意で発生する事故では無い。百歩譲っても、親切心だとは考えられない。先月の事故の原因は、私の不注意だとでも・・・言いたいのか。それとも・・・恐喝か?先日も内職先の社員の頭に、長物のフローリング材をヒットさせていたし・・・。
2015年3月30日(月)
オルティンドの打音の打ち方

 穏やかな晴れ空、気温がぐんぐん上昇して・・・20℃を超えた。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。長材の梱包後、積み込み作業。大物天板の傷加工&着色、細幅長材の擦り傷付け作業。残業無しで・・・内職終了。

 生前のバトチョローン氏から指をとって教えて頂いた・・・ジャミヤン先生直伝のオルティンドの打音の打ち方は、指単体の動きで打音を打つ・・・というものでした。残念ながら・・・打音初心者には、お勧めできない打ち方です。取り敢えず手首の回転で打つ方法で、打音を打つ感触を把握してください。

 ネックに付けた親指を支点として、手首を回転させて・・・薬指で弦を打ちます。この時に弦を押さえ付けるようにしてしまうと、打音ではなく・・・実音が出てしまいます。指先が弦に触れているのは、ほんの一瞬です。弦に指先が触れた瞬間に、手首を逆回転させて・・・弦から離します。

 弦を1秒に1回づつ、ポンポンと連続で打ってください。弦を打つ感触が理解できたら、薬指の付け根を支点にして・・・打音を打つ練習を始めます。手首を回転させると・・・タイムロスするので、短時間に多くの打音を打つことは出来ません。指だけで打つと、短時間に多くの打音を打つことが可能になります。

 人差し指で弦を押さえて、薬指だけで打音を打ちます。人差し指で弦を押さえ、小指だけで打音を打ちます。中指で弦を押さえて、小指だけで打音を打ちます。薬指で弦を押さえて、小指だけで打音を打ちます。人差し指で弦を押さえ、中指だけで打音を打ちます。開放弦で、人差し指だけで打音を打ちます。
2015年3月29日(日)
芝田君と日野皓正氏の関係

 這うように起床、口の中一杯に昨夜の燻製の香りが残っている。振り子号で駒沢まで、8キロ・30分のドライブ。風が心地よい晴れだったが、曇り始めて風が強まり・・・3時頃から予報よりも早く雨が降り始めた。高圧洗浄車を眺める臨時内職、1時間の早上がりで・・・臨時内職終了。

 芝田君の出身地の山形県酒田の公民館で開催された、日野皓正氏の演奏会に出掛けた事が・・・自作自演の「酒もってこい」デビューのきっかけだったそうだ。会場に置いてあったヤマハ・ポプコンの募集チラシを見て応募、第18回に優秀曲賞を受賞している。最近日野皓正氏の演奏会に出掛けたそうで、70歳を過ぎて進化し続ける姿に・・・感動を覚えたそうである。
2015年3月28日(土)
サリナイさんの馬頭琴演奏

 ぼんやりとした晴れ空、風は強めだが・・・心地よい。夕暮れ時になって、永福町まで遠征。馬頭琴仲間の企画した、内モンゴルから訪日した女性馬頭琴奏者のサリナイさん&ピアニストのトーノさんに、日本在住のリンベ奏者のサウガゲレル氏&バイオリニストのツェルゲルさんの演奏会。

 会場は白い壁に木の床、高い天井は・・・写真スタジオを思わせる。スタンウェイのフルコンは、本日の組み合わせでは少々過剰気味。サリナイさんは女性とは思えないほどの骨太の、聴き応えのある馬頭琴の音色を披露してくれた。良い演奏会だったが、私の知る限り・・・馬頭琴を学ぶ方は2名ほどの来場。もったいない・・・。

 フェイスブックの告知を見て来場してくれた旧知の芝田洋一君と、線路沿いの「うおのめ」で懇親会。カジュアルな店内で、若手スタッフの熱気が伝わる。トルコに「鯖サンド」なる焼いた鯖のサンドイッチが存在するが、こちらの「〆鯖サンド」も・・・中々の出来でした。
2015年3月27日(金)
スライド型のビブラート

 ぼんやりとした陽射しが窓辺に差し込むが、早朝の気温は5℃に届かず。強めの風が吹いていて、日中も・・・暖かさは感じられない。愛器7号に張った馬の尻尾の弦、雑味ばかりが耳について・・・音量も足りず。編みこむ長さが足りず・・・途中で継ぎ足したり、テイルピースの穴を大きくする等・・・苦労した甲斐がありません。

 「演奏は勝負・・・」というのがブルグッド師匠の口癖、我々「万馬系」は・・・馬頭琴界では「武闘派」と呼ばれているらしい。師匠は相手との闘いを想定しているらしいが、私は・・・演奏とは「自己との闘い」だと認識しています。チ・ボラグ先生の「心の詩」を聴き込んでいる事もあってか、馬の尻尾の弦は・・・私の表現には向いていないようです。

 スライド型のビブラートに関しては、修行中のため・・・的確なアドバイスが出来ないかもしれません。親指をネックに、中指の先端を指板に固定して、手首を左右に振る・・・という感覚でしょうか。中指の先端を振ってしまっては・・・大きく音程を外れてしまうため、そういったビブラートを欲する時以外は・・・親指と中指でネックを摘んでシェィカーを振るような意識です。
2015年3月26日(木)
中指以外の3本の指の練習

 窓辺に差し込む穏やかな陽射し、風も収まって気温が上昇。愛器7号(ジャミヤン先生が最後に使用されていた馬頭琴のレプリカ)に、思いついて・・・馬の尻尾の弦を張ってみました。オリジナルは1988年頃の製作で、おそらく当時はナイロン弦ではなく・・・馬の尻尾の弦だと思われます。

 馬の尻尾は耐久性に乏しく、使用後に弦を緩めておいても・・・切れます。ホーミーチーの岡林君に「2週間ぐらいで張り替える」という話を伺って、私にとっては現実的ではなかったので躊躇しておりましたが、太さの不揃いな馬の尻尾の醸し出し音色は・・・馬頭琴の原点回帰。

 ローリング型のビブラート、人差し指・薬指・小指の練習方法も・・・中指と同様です。中指は手の平の真ん中なので・・・肘から1本の軸という感覚が維持しやすいのですが、他の指は殊更に肘からの軸を意識して練習してください。中指同様、馬頭琴が無くても練習可能です。ビブラートを掛けていない、他の指を伸ばした場合の変化も練習してください。
2015年3月25日(水)
中指以外の・・・他の3本の指

 窓辺に穏やかな陽射しが差し込むが、部屋の中でも指先が悴む久々の冷え込み。寒風の多摩川河岸の桜、数日で咲きそうな蕾の膨らみ。気の早い3輪だけが・・・咲いている。和泉多摩川南岸の古木の桜、東京標準よりは1週間ほど遅い。更に1週間遅い、老木が2本あります。

 練習でしてはいけない最大のポイントは、いい加減に弾いたふりをする・・・事です。現在のテンポで弾けないのなら、ゆっくりしたテンポで確実に弾く練習をします。指が動作に慣れたら、徐々にテンポアップしてゆけば良いのです。勢いで誤魔化しても、正しい動きは・・・身に付きません。

 ローリング型のビブラートの練習は、馬頭琴がなくても可能です。両腕の肘を曲げ、胸の前で指先が接するようにします。左手の指を軽く伸ばし、左手の中指の先端を右手の中指の腹で押さえます。この状態で、左手を回転させます。左手の肘から中指の先端まで、1本の軸になっていることが重要です。

 中指でのローリング型のビブラートの動きが理解できたら、回転のスピードを上げて練習します。この時に中指以外の指は、無用な力が入っていなければ・・・中指と同様の丸さを保っているはずです。他の3本の指先を、このままの状態、少し伸ばした状態で回転させてみてください。更に3本の指を伸ばすには、意識(力)する必要がありますが、その状態でも確認してみてください。
2015年3月24日(火)
ローリング型ビブラートの練習

 冷え込んではいるが、穏やかな晴れ。7時に和泉多摩川整形外科を訪問するが・・・既に5人の先客、8時までほとんど訪問者は無く・・・1時間の待ち。快方には時間の経過を待つ以外に無く、ビタミンB12&保護用のテープを処方される。

 振り子号で多摩堤通りから中原街道経由で品川区まで、17キロ・45分のドライブ。清掃補助となってはいたが、昨日と同じ担当者が穴に潜るのを眺める臨時内職。昼食休憩を挟んで実質2時間の労働、2時間の早上がりで内職終了。強烈な寒風が吹く二子玉川付近で、我慢比べのようなお花見に興じる女性群を目撃。

 ローリング型のビブラートの、練習方法です。弦を人差し指・中指で押さえた時に、指先が指板に接しない弦高にセッティングされている事が前提になります。正しくセッティングされている楽器の場合、内モンゴルの馬頭琴では難しいでしょう。私の2号(布和工房製)は、弦高を高めにセッティングしてあります。

 少し手を丸めた強い構造の形で、中指を弦に押し当てます。中指は真ん中にあるので、肘から中指の先まで1本の軸が出来ていることを意識します。左肘を基点として、ドアノブを回すように・・・左右それぞれ約90度程度回転させます。合計で約180度の回転、これを1秒間を目安として回します。指先は弦に接していますが、弦に対する圧力は一定を保ちます。弦を押したり戻したりしてはいけません。もっとゆっくりしたスピードでも良いので、確実な動きを腕に覚えこませてください。
2015年3月23日(月)
ビブラートで・・・やってはいけないこと

 穏やかな晴れ空、目的地周辺で・・・突然の通り雨。振り子号で保土ヶ谷まで、33キロ・1時間35分のドライブ。第2京浜に出るまでの渋滞と、目的地周辺でのグーグルナビの反応の遅さが・・・遅延理由。穴に潜る担当者を眺める・・・恒例の臨時内職、30分の早上がりで終了。1時間半の労働に、往復3時間を要する・・・。給油&タイヤの空気圧のチェックをして帰宅。

 大別すると、2種類のビブラートがあると記しました。弦楽器専門誌「サラサーテ」によると、更に様々なビブラートがあって・・・チェロ奏者のヨーヨー・マ氏の音源等が参考になるそうです。演歌歌手のこぶし等も、参考になります。ビブラートは掛け始めよりも、終わり方の方が難しいです。

 弦を押したり戻したり・・・というのは、やってはいけない誤った方法です。エレキギターのフレットの間を抉ったスキャロップドネックや、シタールでは一般的な奏法ですが、これらの楽器では美しい音も、馬頭琴では気持ちの悪い不安定な音色になってしまいます。
2015年3月22日(日)
ビブラートの種類

 穏やかな晴れ空だったが、午後からは強めの南の風。コインランドリーで洗濯後、乾燥機能のみとなったドラム型洗濯機を・・・騙しながらの乾燥作業。

 西洋弦楽器のビブラートは、大別すると2種類になります。弦に対して手を回転させる奏法:仮にローリング型とします・・・と、指を弦と平行にスライドさせる方式です。ローリング型は西欧の弦楽器奏者が主に使用し、繊細なビブラートになります。スライド型は米国の弦楽器奏者が用いることが多く、より激しいビブラートになります。

 気候の違いによる湿度が少なからず影響していて、乾燥型の環境では繊細なビブラートでも効果が高く、多湿な環境ではスライド型の方がビブラートが鮮明に掛かります。馬頭琴では・・・モンゴル国の奏者はローリング型、内モンゴルではスライド型・・・と言えるでしょう。

 乾燥したウランバートルと比較すると、内モンゴルの首都フフホトは・・・結構高温多湿です。内モンゴルの馬頭琴は左手の指先を指板に付けて演奏するので、弦高のセッティングが低めです。この体勢でローリングすることは少々難しく、私の2号は弦高を高めにセッティングしてあります。
2015年3月21日(土)
ハーモニクスについて

 夜半から降りだした雨の名残も、走り出したら・・・間もなく止んだ。振り子号で白金まで、多摩川沿いから目黒通りを抜けて、18キロ・40分のドライブ。高圧洗浄車を眺める修行の予定だったが、作業員が足らず・・・U字溝の土砂上げ作業。チョモランマで完全武装なので、大汗をかきながらの早い話がドブさらい。1時間半の早上がりで臨時内職終了。

 ハーモニクス:倍音が出し易い馬頭琴ですが、出てしまうことで耳障りな・・・初心者には諸刃の剣。モンゴル国では単音でメロディを弾いて、2回目に親指でハーモニクス音を加えるパターンを良く見かけます。内モンゴルでは・・・ハーモニクスで音階を成立させ、単音バージョンからハーモニクスバージョンに展開するパターンが多いようです。

 ハーモニクスは・・・決まったポジションでしか出せませんから、他の楽器と合わせたり歌と合わせたりする場合は、調弦を吟味して・・・ハーモニクスを加える工夫が必要になります。
2015年3月20日(金)
打音について

 ぼんやりとした曇り空、昨日ほど気温は上がらぬが・・・暖かい。熱海の染井吉野が、結構な見頃だそうだ。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。大物・小物の少量物の塗装&梱包作業,、電動サンダーで削る作業が多い。2時間の残業で・・・内職終了、@131円のガソリンをセルフで給油。

 いくつかの馬頭琴教室を見学させていただいたり、発表会やら動画等を見た結果から申し上げると、打音とハーモニクスを積極的に教える先生も・・・学んだ方を見つけることも至難の業です。

 モンゴル国のオルティンドを学んで、節回し的な打音を打つ方は・・・少数ながら存在します。が・・・内モンゴル的な伸ばした音の合間に入れる打音は、ほとんど見かけません。この打音をどのタイミングで打つかによって・・・随分とフレーズの表情が変化し、奏者の味が出てくるのですが・・・。
2015年3月19日(木)
「馬頭琴が弾けます」と言うためには・・・不可欠な技法

 夜半に降りだした雨が止んで、湿った曇り空。予報ほど酷くは降らなかったが、午後からひとしきり雨降り。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。2日に渡って面取りしたパーツが貼り合わされ、外周の面取り&はみ出した接着剤の除去作業。2時間の残業で・・・内職終了。

 「馬頭琴が弾けます」と胸を張って言うためには、何が必要でしょうか。単にメロディを美しく弾くだけではなく、楽器の構造や成り立ちを活かした奏法を習得する必要があります。私が思うには、楽器の構造上からくる・・・2本の弦を効果的に使える事、オルティンドの伴奏楽器から発展したという点では・・・こぶしを回すような打音が打てる事、馬頭琴らしい奏法と言う点では・・・ハーモニクスを駆使できる事・・・だと考えています。
2015年3月18日(水)
一弓に多くの音を入れる・・・音階練習

 穏やかな晴れ空が徐々に曇り始めて、湿度が高いようで・・・少々蒸し暑い。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。梱包作業後、乱尺のフローリング材の塗装。大量の細幅・短弱の傷入れ作業後、オイル&ワックス塗装。長物の塗装後、張り合わせの天板の塗装。2時間半の残業で・・・内職終了。「サミット」で昼食のサンドイッチ用具材の調達、「ヤヒロ」に胚芽米がようやく入荷。

 一弓で1音を長く弾く音階練習ができたら、次は一弓で多くの音を出す練習をします。最初は1音を2拍にして一定のスピードをキープして、2音を弾き終わった時(4拍)に弓が使いきれるようにします。慣れてきたら・・・1音を1拍にして、4音を弾き終わった時に弓が使いきれるようにします。

 一弓4拍が弾けるようになったら、1音2拍はそのままで・・・一弓を6拍にして3音を弾き終わった時に弓が使いきれるようにします。更に一弓を8拍にして、4音を弾き終わった時に弓が使いきれるようにします。

 先に進んで・・・無理が生じたら、前の段階に戻って練習をします。音階練習ではなく、ボーイングの練習も・・・有効な手段です。音程が曖昧になっては、音階練習の意味がありません。無理が生じたら、前の段階に戻って・・・実力に応じた正しい練習を繰り返してください。
2015年3月17日(火)
1音を長く弾く・・・音階練習

 穏やかな晴れ空、気温がぐんぐん上昇して・・・作業には暑いぐらい。大阪の最高気温は、5月中旬並みの22℃だそうである。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。昨日同様の面取り作業が・・・延々と続き、3時間半の残業で・・・内職終了。

 1音4拍の音階が弾けるようになったら、1音を6拍や8拍で弾く練習をします。弓のスピードは・・・途中で早くなったり遅くなったりすること無く、常に一定のスピードで移動させるよう心掛けてください。音量は特に強く出すとか弱く出す意識をしないように、無理なく出せる「5」程度にします。薬指で常に弓の弦(つる)をコントロールしている意識だけは、忘れないでください。
2015年3月16日(月)
音階練習を始めるに当たって

 穏やかな晴れ空が・・・徐々に曇りだし、おやつ時から小雨が降りだした。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。約10センチ角の板材の4辺の面取り作業、テーブルに固定用の板材を取り付けて・・・延々と終わらない。2時間半の残業で・・・内職終了。

 音階練習で大事なのは・・・左手の指に、このぐらいの間隔で押さえたら正しい音が出ることを覚えこませることです。正しい音程であるかどうか、チューナーでチェックしながら行ってください。親指を基点と意識して、それぞれの指の間隔を調整してください。

 また右手で操作する弓は、ボーイングの練習そのものですから、メトロノームを使用して一定のリズムをキープしてください。メトロノームを「63」にセットすると、およそ1拍が1秒です。最初は1音を、4拍で始めてください。弓の手元から一定のスピードをキープしたままで、4拍が終了する段階で弓先が到達するように、スピードの調整をしてください。
2015年3月15日(日)
ポジションマークの付け方

 ぼんやりとした曇り空、リロ書房跡に出来た新しいコインランドリーを見に行ったが・・・。大型の15キロ以上の洗濯機&乾燥機、私には・・・使い道が無さそうです。

 ポジションマークを付けておらず・・・曖昧な音程を出している場合や、1音づつにポジションマークを付けているために・・・基準位置が判り難くなってしまっているパターンを良く見かけます。効率よくポジションマークを付けることで、スムーズなポジション移動が可能になります。

 上下の駒がズレていないことを確認後、真ん中の1/2の位置にポジションマークを付けます。内弦の開放弦よりも、1オクターブ高い場所です。ハーモニクス音の場所なので、軽く触れて一番綺麗に音の出る場所です。強く押さえてしまうと、正しい位置ではなくなります。

 マーキングする場所は、演奏中の眼の位置で見えることが基本です。弦を強く押さえ過ぎれば、音程は高くなります。チューナーで確認しながら、正しい位置を模索してください。修正ペンは、乾けば爪で削り落とせますし、濡れた布で拭き取れます。軽くサンドペーパーを掛けても、落とすことが可能です。

 内弦の上駒から1/3の場所の、モンゴル国の「ファ」・内モンゴルの「ソ」の位置にマーキングします。

 内弦の下駒から1/3のハーモニクス音の、モンゴル国の「ファ」・内モンゴルの「ソ」の位置にマーキングします。

 外弦の開放弦の次の、モンゴル国の「ソ」・内モンゴルの「ラ」の位置にマーキングします。

 外弦のモンゴル国の「シ♭」、内モンゴルの「ド」の位置にマーキングします。

 上下の駒の位置が変わると・・・ポジションマークはズレるので、練習前に上下の駒が正しい位置にあるか確認してください。弦を交換して・・・弦の太さが変われば、微妙に位置はズレます。上下の駒の高さが変われば、やはりポジションマークの位置がズレます。駒を変更した場合は、ポジションマークを付け直します。
2015年3月14日(土)
内モンゴルの馬頭琴の、駒の位置決め

 風は強めだが穏やかな晴れ、夜明けと共に家を出て電車で鶯谷へ向かう。高圧洗浄車を眺める臨時内職、根岸の寺町で緑は多いのだが・・・公園が見つからない。1時間少々のウェイティング後、1時間の早上がりで内職終了。向かいの気になる酒屋の看板、銚子の塩焼き鯖缶に三陸の鯖の味噌煮缶の食べ方指南に、ほたるいかの干物・・・といった具合。

 都内4店舗のみ扱うという、広島県竹原市の「宝寿」という純米酒。利き酒師にメールをすると、飲んだことが無いそうで・・・2014年と2015年ものを調達。武蔵新城まで遠征、季節料理「おばら」で堪能する。利き酒師からプレゼントされたお店で使用するマイ箸、親指の不自由な右手でも・・・蒟蒻が摘める使いやすさ!ありがとう。

 内モンゴルの馬頭琴では、色々な文様のF字穴が使用されています。最近では松材系の表板を使用した、西洋楽器タイプのF字穴の開いた楽器も製作されています。このタイプは所有していないので、判りかねます。布和工房製のオーソドックスなパターンの文様に関して記述します。

 複雑な文様(チベット仏教のありがたい印だそうです)の、内側の2番目の真ん中がカクンと曲がった穴の下端に、下駒の下端を合わせます。下駒の位置は、ボディ上端からおよそ1/3に収まります。左右の文様の下端をつなぐと、水平ではない場合もありますので、その場合はズレの確認がしやすい、向かって左側の穴の位置を基点とします。

 上駒の位置決めは、モンゴル国の馬頭琴と同様です。位置が決まったら、修正ペンでマーキングしておきます。文字だけでは判り難いので、「愛器紹介」の写真を参考にしてください。下駒は足の部分が一番厚く、弦を載せる部分が一番薄く加工されています。下駒のテイルピース側がボディに対して垂直になるように、足の設置面を加工するのが西洋楽器の基本です。
2015年3月13日(金)
モンゴル国の馬頭琴の、駒の位置決め

 晴れてはいるのだが・・・強めの風、午後からは気温が上がって暖かい。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。塗装・解体・梱包後、大型箱物系の塗装。重量物の積み込みで2時間を消費、3メートル近い板材の傷入れ・サンディング&塗装。3時間半の残業で・・・内職終了。

 ポジションマークを的確に付けることで、基準となる左手の親指の位置が確定します。その前提として、上下の駒の位置を正しい場所に確定させます。モンゴル国の馬頭琴の場合、F字穴の真ん中の一番幅の広い内側の切り欠きに、駒の厚みの真ん中に合わせます。ボディ全体の長さの、およそ上端から1/3の位置です。テイルピースから馬頭に向かって眺め、弦が左右にずれることなく真っ直ぐになっていることを確認します。

 歌い手の音程に合わせるために馬頭琴の上駒を移動させるので、固定されていないという話を聞いたことがあります。日本ではそのような状況はほとんどありませんから、適切な位置であれば固定しても良いだろうと思っています。実際に最近製作された馬頭琴では、指板を削って上駒の位置を固定するように加工されたものがあります。

上駒の位置決めには・・・厳密な決め事はありませが、弦長が長いほど・・・弦の振動効率は良くなります。両手の親指で馬頭に向かって上駒を押し上げ、これ以上は動かないという位置を探ります。位置が決まったら、白いインクの修正ペンで上駒の位置をマーキングしておきます。

 弦長に関しては、バイガルジャブ工房の馬頭琴が一番短く、エンフジャルガル工房の馬頭琴が最長です。楽器の音の良し悪し、馬の彫刻の好みだけでなく、ご自身の体格と手指の長さを考慮して、馬頭琴工房を選びましょう。私の推奨はウランバヤル工房の、メタルペグ仕様です。調弦が出来なければ、上達など・・・とても適いません。

 メタルペグ仕様の糸巻きの質が悪く、使用量に応じてトラブルが発生します。特殊工具でないと外せませんが、トラブル皆無の国産品への交換を承っています。通常の糸巻きを見た目をほとんど変えることなく、米国製チェロ用機械ペグへの交換も承っています。 
2015年3月12日(木)
音階練習の目的

 風が強めな晴れ空、気温が高いと天気予報は言うのだが・・・終日背中が薄ら寒い。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。少量多品種の塗装・梱包&出荷作業、恒例化した・・・とも思える2時間の残業で内職終了。

 音階練習の目的は、正しい音の位置を左手の指に覚えさせる事です。単独の指で音を探っても・・・意味は無く、親指と人差し指を基点として次の音の位置を左手の指に記憶させます。モンゴル国の音階では、人差し指の「ソ」を基点に、薬指で「ラ」の位置を決めていきます。あくまで人差し指に対して、これぐらいの距離だと・・・薬指に認識させることです。「ソ」と「ラ」を何度も往復して、指の開き加減を記憶させます。チューナーで確認しながらの練習です。

 人差し指の「ソ」を基点として、小指で「シ♭」の位置を確認します。薬指の「ラ」を基点として、小指の「シ♭」の位置を確認します。強い構造体の手の形を維持し、親指と人差し指の位置は固定したままでます。手の甲に力を入れてしまっては、指は・・・開きません。
2015年3月11日(水)
音階練習で小指の強化は・・・出来ません

 晴れ空なのだが、風が荒れて寒い朝。北海道を基点に、低気圧が渦巻いて・・・日本列島を覆いつくしている。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。板材の表面を電動ワイヤーで削って起伏を作り、窪んだ部分に粉っぽい白を塗装し、電動サンダーで削って・・・日本的な幽玄の表情を作る。午後からは・・・ひたすら、粉塗れになって電動サンダーと格闘。2時間の残業で・・・内職終了。

 音階練習を積み重ねても、小指の強化は・・・出来ません。モンゴル国の1オクターブの音階で、小指が登場するのは・・・「シ♭」と「高音のファ」の2回。「高音のファ」はハーモニクス音ですから、軽く触れるだけにしないと・・・音が濁ります。1オクターブの音階の往復をしても、小指の強化に繋がる出番は2回のみです。

 1つの音を1秒間出すとして・・・往復で15秒、1分間に4往復で・・・30分では120往復。小指の出番は2回×120往復なので、240回=240秒=4分間。30分の音階練習をしても、実質小指の強化に繋がるのは4分間です。皆さん・・・音階練習に30分を費やしますか?

 私の場合は3オクターブの音階練習をするので、多少出番は増えます。加えて通常の運指ではなく、小指を多用するように指使いを変えています。それでも・・・小指がマッチョになることはありません。内モンゴルの馬頭琴奏者ボーシンアン氏は、1.5倍の太さの弦を張って指の強化をしたそうです。私も試してみて・・・効果は実感しましたが、馬頭琴のネックが曲がるので・・・お奨め出来ません。

 多分・・・ピアニスト用だと思いますが、「グリップマスター」という製品があります。手の平で握って、人差し指から小指でそれぞれ4つの釦を押してスプリングを縮めます。「エクストラ ライト」という、一番スプリングの弱いもので充分です。使用してみると、如何に薬指と小指が・・・非力なのかを実感出来るでしょう。これならテレビを見ながらでも、電車内でもポケットの中で指の強化が可能です。
2015年3月10日(火)
バトチョローン氏とノロブバンザトさんの映像

 3時間ほど寝る時間があったのだが、なかなか・・・寝付けない。濃い青と湧き上がるような白い雲が、夏を想起させ・・・眩暈がするような強烈な陽射し。昼寝をしていたら、屋根を叩く大粒の雨音で眼が覚めた。すぐに止んだが、その後強烈な寒風が吹き荒んだ。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。大量の荷降ろし作業と、少量他品の塗装&切削作業。2時間の残業で・・・内職終了。

 フェイスブックで知人がアップした、バトチョローン氏の馬頭琴伴奏で歌うノロブバンザトさんの映像を堪能。初来日時の、NHKの映像だそうだ。全体像だけでなく、右手・左手の超アップも紹介されていて、打音の打ち方等・・・素晴らしい資料映像。

 先日はモンゴル国の若手馬頭琴奏者の第一人者:ジクジットドルジ氏の映像がアップされていて、数秒間ですが・・・彼のビブラートの掛け方が見られました。先月からここに書き始めた馬頭琴の基礎に関することですが、これらの映像を見ることで・・・理解の手助けになると思います。
2015年3月9日(月)
音階練習に不可欠なもの

 湿った曇り空、正午前から小雨が降り始め、夕暮れ時から本降り。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。2時間の残業で昼間の部が終了。横浜までダッジバンで移動して、商業施設内での現場での手直し塗装。3時間半の早上がりで夜の部終了、小雨の中を振り子号で帰宅。

 馬頭琴の上手い下手を左右するのは、正しい音程がとれているか否か・・・といっても過言ではありません。初心者のつたない演奏を、「味があって良い」等と評価する方もいますが、それが数年続いては・・・耳に障るだけです。プロのバイオリン奏者等は・・・手元も見ずに、正確な音程を出しています。音階練習の積み重ねと、ビブラートによる補正の賜物だと思います。

 馬頭琴の演奏で・・・正確な音程が出ていると思っても、実は瞬時に正しい音程に修正している場合も多いのです。この作業に必要なのは、正しい音を聞き分ける「耳」を訓練することです。ずれが判れば修正可能ですが、ずれている認識が無ければ・・・不可能です。

 耳の訓練は・・・正しい音程の音階を、繰り返し聴く事です。ピアノや笛等の楽器の音階を録音したり、スマホのソフトにも・・・ピアノの鍵盤で音が出せるものがあります。馬頭琴で音程のチェックを行うには、チューナーを使用します。ギターやベース専用ではなく、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」とすべての音がチェックできるクロマチックタイプのチューナーです。高性能なチューナーの中には、感度が良すぎて・・・馬頭琴の複数弦の曖昧な音程を捕らえられないものがあります。ご注意ください。
2015年3月8日(日)
音階練習は・・・耳の訓練

 しとしと・・・と、小雨が降っている。昼過ぎには止んで一時陽射しもあったが、気温が上がらず寒い終日。コインランドリーで洗濯、洗濯機能の無くなったドラム式の洗濯機の・・・乾燥機能も消滅寸前。登戸まで振り子号で給油ドライブ、@133円でした。

 馬頭琴を学ぶ多くの方が、曲の練習をメインに行っています。それでも志の高い方は、ボーイングらしきものを多少は・・・しているでしょう。漫然としたボーイングの練習は時間の無駄で、先月書いたポイントが重要です。同様に、漠然とした音階練習も・・・無意味です。

 ピアノは鍵盤を叩けば、目的とする音を出すことが出来ます。フレットの付いた楽器も、穴を閉じたり開いたりする笛でも、目的の音が出せます。バイオリンやチェロ・二胡・胡弓・三味線・三線、馬頭琴にはフレットが付いていませんから、なかなか正確な音が出ません。曖昧な音階の練習は・・・意味がありません。

 幼少期からピアノ等を学んでいれば、ある程度の「正しい音階」が記憶されています。このような基礎が無い場合、自分が出そうとしている音自体が理解出来ておらず、出た音が正しいのか誤っているのか・・・判断できません。出したい音が判り、出た音の誤差が判断できる、耳を訓練するために音階練習が必要なのです。
2015年3月7日(土)
左手指の・・・支点・力点・作用点

 朝から小雨が降ったり止んだり、気温がぐんぐんと下降して・・・吐く息が白い。振り子号で千歳台までドライブ、レギュラーの内装材の塗装内職。淡々と作業が進み、2時間の残業で・・・内職終了。「サミット」&「ヤヒロ」で買出しをして帰宅。止んでいた雨が、夜半になって復活。
 
 左手の親指は・・・支点で、ネックと接して他の指をガイドするものです。他の4本の指は、単体で力を出して弦を押すのではありません。親指を支点として、手の甲を広げる動作を力点として、他の4本の指は結果として弦を押さえる・・・作用点です。親指を支点とする意識が重要です。

 ある音からある音まで、指を滑らせながら到達させる奏法があります。「グリッサンド」と呼ばれる奏法で、内モンゴルでは「ネックの上から下方向に」、モンゴル国では「ネックの下から上方向へ」、使用するパターンが多いです。小さい音量でスタートし、到達点で音量は最大になります。

 この動作を人差し指や中指・薬指だけで行うと、音量のコントロールが儘ならず・・・不安定になりがちです。親指を支点と意識して、手の甲を広げる力でコントロールすれば、意図する音量を・・・安定した状態で出すことが可能になります。だら〜んと下げた時の、卵を包み込むような強い構造体としての左手の形が重要です。
2015年3月6日(金)
ポジション移動の際の、左手の動かし方

 寒波が襲来し、肌寒い。振り子号で千歳台までドライブ、2週間の安静後のレギュラーの内装材の塗装内職。加害者の呆け老人の一言は、「ひびが入ったんだって?気をつけなよ。」・・・。塗装作業
あれこれ、利き腕の右手での親指を使う状況は多々あります。何とか処理しておりますが、結構なストレスを感じます。1時間半の残業で・・・内職終了、小雨の振り出した中「ヤヒロ」で買出しをして帰宅。

 モンゴル国の馬頭琴の場合・・・上のポジションで「ファ・ソ・ラ・シ」、下のポジションで「ド・レ・ミ・ファ」と、2つのポジションで1オクターブの音階が完結します。この移動距離は・・・手の平1枚分、およそ10センチぐらいでしょうか。この距離を素早く移動させようと、焦ってしまい・・・スムーズな移動が出来ません。

 この距離を半分に縮めて、移動をスムーズにする方法があります。左手の手首を、柔らかく使う方法です。1つ目のポジションで、「ネックと直角になっている肘」と「弦に接している指先」は・・・そのままの位置に留め、手首だけを下に下げます。この状態から・・・肘を下げながら手首を真っ直ぐにしてやることで、移動に必要な距離は・・・半分になります。

 ポジション1の真っ直ぐな状態「1」から、「2」で手首だけを下げ、「3」で手首を真っ直ぐにしてポジション2に移動します。ゆっくりと「1・2・3」と号令を掛けながら、何度も繰り返し練習してください。慣れてきたら、一瞬で移動させます。

 ポジション2からポジション1に、上に移動する動きです。ポジション2の真っ直ぐな状態「1」から、「2」で手首だけを上に移動し、「3」で肘を上げながら手首を真っ直ぐにして、ポジション1に移動します。練習のコツは、下への移動と同様です。

 「3」の動作は・・・力で戻すのではなく、脱力することで自然な形に戻ってしまう・・・という感覚です。
2015年3月5日(木)
本番前にすること=ウォーミングアップ

 ウランバヤル・メタルペグ仕様・ひげスペシャル・改&2号と衣装を持って、町田まで遠征。午前中に1校目の小学校で演奏、1時間を割いていただけたので・・・充分な質疑応答が出来ました。ご飯・具沢山の味噌汁?・野菜の炒め物+焼き魚+牛乳の給食をご馳走になって、午後からもう1校での演奏。「スーホの白い馬」の呪縛から、開放されました。

 演奏会場に向かう際、寒かったり風が強かったりする場合は手袋を常用します。特に左手が冷えると・・・演奏に差し支えるし、不意の接触事故等からも・・・手袋が保護してくれます。それでも・・・手と言うのは、冷えやすく簡単には温まりません。手指だけでなく演奏に必要な筋肉を温め、脳の神経を戦闘態勢に導くことが不可欠です。

 演奏の本番前にすることは、曲の練習ではありません。スポーツ選手が試合前に行うこと、それは筋肉を温めるためのウォーミングアップです。体全体の筋肉&神経を目覚めさせることを、意識する必要があります。体の各部の動きを確かめ、滑らかに強く弱く動かせるように確認していきます。当然・・・耳も正しい音程が判断できるように、刺激していきます。

 特に左手の薬指や小指は・・・目覚めるのが遅く、音階程度では冬眠したままです。打音を繰り返し打つことで、指自体も指を動かす神経も臨戦状態に導けます。私は20分程度を目安に、ウォーミングアップします。長すぎれば・・・筋肉に疲労が蓄積されたり、耳も疲労して正確な音の判断を狂わせます。短ければ、筋肉が温まりません。
2015年3月4日(水)
親指をスムーズに移動させるためのネックの改修

 雨上がりの曇り空、7時半に和泉多摩川整形外科で診察。晴れと痛みは無くなったが、先端部の神経が損傷して・・・麻痺というか痺れています。2ヶ月ぐらいは様子見ですが、感覚の麻痺は次の怪我を呼び込む可能性があるので、出来るだけ使用しないのが理想・・・。ビタミンB12を処方されて帰宅。20℃という予報ほど、最高気温が上がりません。

 左手の親指は他の指の支点と、ネックを移動する際のガイド的役割を果たしています。ほとんどの馬頭琴は、ネックに塗装が施されています。この塗装は手の滑りを悪くし、素早い移動では・・・火傷の原因とも成りかねません。親指の当たる部分の塗装を、サンドペーパーで落とします。最終的に1,000番ぐらいの耐水ペーパーで研ぐと、とても滑らかになります。

 私のウランバヤル・メタルペグ仕様・ひげスペシャル・改では、ネックの形状が親指に馴染まないので・・・黒檀板を貼って、親指の当たる部分の形状変更とネックの強化も兼ねています。内モンゴルの段さんの工房では、ネックの裏に黒檀をインサートした「編号馬頭琴」があります。親指の当たる部分のスムーズ化と、ネックの強化を目的としたものです。
2015年3月3日(火)
親指の役割

 穏やかな晴れ空だが、気温は昨日よりも5℃低いという。夜になって・・・雨降り。ウランバヤル・メタルペグ仕様・ヒゲスペシャル・改&2号と衣装を持って、町田まで各駅停車で遠征。急遽演奏依頼のあった小学校2校での演奏。

 内モンゴルの馬頭琴奏者は・・・左手の親指を空に向け、モンゴル国の奏者は・・・握りこむというパターンをよく見かけます。昨日書いたように親指は、自然な形をしているのが理想です。親指の不自然な動作は、強い構造を壊してしまいます。演奏に必要な指に神経を費やすのに、余分な神経を費やしてしまいます。

 指の弱さを補うべく・・・使用する指の位置に親指を移動する方がいますが、強い構造を壊してしまうだけです。親指の役割は、ネックを移動するガイドです。ネックと親指の接点を支点として、作用点の4本の指を導きます。ハーモニクス奏法では、親指で内弦の倍音を出すという役割が加えられますが、基本の位置から左右に移動することはありません。
2015年3月2日(月)
左手を構造体化する

 窓辺に暖かな陽射しが降り注いで、感覚の麻痺気味な親指の憂鬱さを緩和してくれる。三寒四温と言うけれど、一日おきに・・・晴れと雨を繰り返している。誕生月10%offのチケットを頂いた「ココカラファイン」に、爪の強化に効果的と言う「ドクターネイル ディープセラム」を探しに行ったのだが・・・年配の薬剤師は商品名もご存じありません。ミニスーパー化した「薬のナカヤマ」で無事購入、左の薬指&小指の爪の割れに効果があれば・・・。

 左手で重要なのが、手の甲から指にかけての形です。左だら〜んと下げた時の手の形は、手の平を上に向けると卵状の物がすっぽりと嵌るように湾曲しています。この形が構造体的に、合理的な強さを持った形です。この形のまま弦に接することで、指の弱さを補助します。
 
 左手の指をまっすぐ伸ばして最大限の力を入れ、右手で中指を摘んで左右に振ってみてください。どんなに力を入れても、中指は動いてしまいます。前述の形で力を入れ、同様の事をしてください。ご理解いただけましたでしょうか?この形を保持することで、手首を柔らかくしたまま・・・演奏が可能になります。
2015年3月1日(日)
左手の基本

 下界を通過する車の走行音で、道路が濡れているのを察知する。月初恒例、馬頭琴日記の更新作業。減り続ける三陸のボランティアの、実態と対策のドキュメントを鑑賞。机上論かもしれませんが、産業がボランティア無しでは成り立たないというのは・・・健全では有りません。観光事業的なアイデアでボランティアのリピーター化・・・というのも、釈然としないのは・・・私だけでしょうか?

 先月、左手の基本形を書きました。だらりと下げた左手を、そのまま左肩の前に肘から先を持ち上げます。このままの形でネックに親指を添わせると、左手の基本形です。肘の位置を上下させることで、ネックと肘から先の直角を保ちます。肘の位置に関しては、それほど神経質になる必要はありません。

 モンゴル国の馬頭琴の「F/B♭」のチューニングであれば1オクターブの音階は、外弦の上のポジションで「ファ・ソ・ラ・シ」、下のポジションで「ド・レ・ミ・ファ」・・・と、2つのポジションで完結します。前述した手の形を保ったままで、1回の移動で1オクターブの音階は弾けてしまうからです。