August 16, 2005 by Ted Inoue
1.情報タイトル:WhiteBalanceの原理と使い方、ツールの作成
3.Back Ground: 4.本題:
4−1.入門編: 4−1−1.ホワイトバランスとは: 白い被写体(例えば白紙)を異なる光源のもとで写真を撮ると、白かったり、赤かったり、また青かったりと一定しない。光源が変わっても、白いものが正しく白い色で写される様にカメラを調整することを「ホワイトバランス」を取るという。 4−1−2.光源の変化: 色温度が変わります。屋外と室内。屋外では晴天、曇り、雨など天候に左右されるもの。朝、夕方、日中など時間的。また場所的に晴天下、建物の影、木陰など。室内的には光源が白熱灯、蛍光灯などがあります。それぞれの光源で色温度は変わってきます。また光源は一つではありません。屋外の夜景のようにたくさんの光源がきらめき、また日中でも光の反射がありそれらが互いに影響しあうので単純にこの光源では何度などど色温度を言い当てることは困難です。 4−1−3.色温度(K): あらゆる波長の光を完全に吸収し、まったく光を反射しないものを「完全黒体」と呼ぶ。この完全黒体を高温に熱すると光を出すがその光の波長の長さとそのときの完全黒体の温度に一定の関係があると言われている。その完全黒体の温度(絶対温度・ケルビン)によって表現されるのが光の温度、つまり色温度という。 色温度が低い光は赤く、高くなるにつれて青みを増していく(「色温度とホワイトバランスの設定」参照)。 4−1−4.人間とカメラの違い: 人には光源が変わっても、白いものは白い色と知覚する「色の恒常性」というものがある。カメラは人間のような知覚がないので、色あわせのためにホワイトバランスが開発され、装備された。 4−1−5.なぜホワイトバランスに白を使うのか? 赤を使ってレッドバランスにしてもよさそうだが?太陽の光は本来連続した波長だが、人間の目はこれを赤・緑・青のセンサーで検知する。デジタルカメラのCCDも、原色フィルターを使っていれば赤・緑・青で色を検知し、この3色の組み合わせで様様な色を表現している。このRGBの大きさが等しいところに白があります。つまり白はR=G=Bの関係で成り立っています。白い色が白く見えないということは3原色の均等の関係が光源の条件で崩れることです。この3原色を均等になるよう補正するために白が使われている。つまり3原色が崩れている光源下で白いものが白く表現されるように補正をしてやれば、どんな色も被写体が持つ本来の色で表現できると考えた。 4−1−6.デジカメと銀塩(フィルムカメラ): デジカメにはホワイトバランスがあるのになぜ銀塩にはないのでしょうか?有りません。色を再現するには白バランスで調整する必要がありますが、銀塩カメラは「化学作用」を利用しているフィルムを使用しているので 一般ユーザがフィルムのホワイトバランスを操作する事は不可能です。ユーザーは色温度に合わせたフィルムを選ぶしかありません(例えばデーライトタイプ、タングステンタイプなど)。 これに比べデジカメは電気回路を使っているので、3原色のレベル操作は極めて簡単です。従ってデジカメは安価な製品にも簡単な白バランス機能を組み込み、ユーザが任意に設定出来る様になっています。 4−2.実際のホワイトバランス: 4−2−1.デジカメのホワイトバランスの機能の種類(キャノンEOS-1Dを例に取る): AWB(Auto White Balance)、太陽光、日陰、くもり、電球、蛍光灯、ストロボ、マニュアル、K(色温度数値・直接設定)、カスタムホワイトバランス、ホワイトバランスブラケティング、RAWデータの補正 4−2−2.AWBの選択と他の選択との使い分け: AWBはハード的には撮像素子と外部ホワイトバランス測光部を使用して行っている。この測光部がふさがれていたり、希望通りの撮影が出来ないとき他の設定を試みる。通常は他の設定は面倒なのでAWBを選びカメラ任せのホワイトバランスを用いている人が多い。 4−2−3.Kを選択した場合の特徴: カラーメータという測定器を使い色温度Kを測定する。得られた温度値をカメラに読み込ませて正確なホワイトバランスを行う。読み込ませることが出来る色温度範囲は2800〜10000Kで100Kステップで可能であるが、カラーメータは高価である。 |
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現在デジカメの製造会社で国内の主だったところ11社の製品を調べるとホワイトバランスに関連する機能の呼び方は同じだったり、異なったりとまちまちである。「白紙を用いたホワイトバランス」は高級機種には付いているが、ローエンドの製品には付いていない。下は各社の「白紙を用いたホワイトバランス」機能の呼び方の一覧表である。
4−3−1−2−1.マニュアルホワイトバランス選択で電球照明下の被写体を撮影。 ●4−3−1−2−2.マニュアルホワイトバランス選択で蛍光灯照明下の被写体を撮影(F)。 4−3−2.AWB選択での被写体の撮影: 4−3−5.被写体撮影画像の比較
上の4つの選択で撮影した6画像(A〜F)の比較:
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4−4..ホワイトバランス用Toolの作成: 4−4−1.三脚用白紙ホルダー
・作り方とセットアップの仕方:
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4−4−2.携帯用白紙ターゲット
・作り方: |