■ 初心者のための霊魂学--------死後の世界の生活 (現在作成中)
以下は、契山館のサイト「霊をさぐる」からの転載です。1.幽界での生活
私は幽界という所が大好きです。何しろ、物質の身体ではなく、死後の世界で使う身体なので食事を取る必要がありません。そのために仕事をする必要もなく、毎日遊んでいても文句を言われないのです。そんな私の一日を紹介しましょう。
朝、といっても別に太陽が昇って明るくなるわけではありません。どうしてなのかは知りませんが、ここでは夜にならないのです。
それでも、私のように、ここへ来て間もない霊魂は、朝、と言わないと、何となく調子が出ないのです。
朝、私は顔を洗うでなし、食事をするでなし、何もすることがないので散歩をします。散歩に出ると大勢の人、いや霊魂に会います。霊魂方はこちらに来て長い人もいて、私にいろいろと教えてくださいます。 一番驚いたのは、ここでは何でも手に入るということでした。とにかく、心に思って念ずると、思った物が目の前に出てくるのです。これにはびっくりしました。
私がすぐに作ったのは家でした。まずは住家が欲しかったのです。それは地上時代には、一度住んでみたかったプール付きの家です。もちろん、最初は本当に出てくるとは思わなかったので、家ができた時には、もう腰を抜かしそうになりした。
私は、嬉しかったはもちろんですが、他人の土地に勝手に家を建ててしまったと思い、すぐに家が消えるように念じました。すると、家はすぐに消えてしまったのです。
私はこうして毎日びっくりすることばかりで時を過ごしています。まだまだ、分かっていないことが多く、知り合った人に質問するのが私の生活です。
こうして昼になり、おそらく夜になるのですが、別に辺りが暗くなるわけではないので、私の場合、勝手に夜が来たと考えています。そうしないと何となくしっくりこないのです。
夜になったので、お酒でも飲んでご馳走を食べたいのですが、残念ながら、お腹がすかないのです。
私は知り合った人に、お腹がすかなくてつまらなくないか、と聞きました。
そうしたらこう言われました。
「私は毎日食べているよ。」
私は訳が分からなくなりました。
2.幽界での食べ物人
私は洋子(仮名)。
私が暮らしている街は賑やかです。でもなぜか、街には動物がいません。私が死んでこちらに来てから1週間程が経ったと思います。
もっとも、こちらでは昼も夜もなく、その上、仕事もないので何日とか何曜日とかは誰も言いません。だから、実際にどのくらい経ったのかは良く分からないのです。
私がここに来て一番驚いたことはおなかが空かなかったことです。とにかくいくら時間が経ってもおなかが空かないので働く必要がないのです。それで私は誰も食事をしていないのかと思っていました。
ところが、そうではなかったのです。
こちらへ来てからお世話になっている女性の家におじゃました時に、歓迎会を開いてくださったのです。 私はまだ独身のうちにこちらの世界に来たので、いろいろと心残りもあったんじゃないかと心配してくださり、友達を集めてくださいました。
歓迎会といっても、ただのお話会だとばかり思っていました。ところが、そうではありませんでした。何と、ごちそうとワインが出てきたのです。
びっくりしてしました。あの時の驚きは、どう表現して良いのか分かりません。
皆さんがニコニコしながら「乾杯」と言われたので、私も恐る恐るワインを飲んだのでした。
「どうですか?」
そうほほ笑みながら聞かれると、私も思わず頬が緩んでしまうのでした。
「美味しい!」
集まった人、いえ、霊達が拍手しながら私に話しかけてきました。
その時、聞いたのですが、私のように地上を離れて間もない霊魂達は意識に地上の記憶が残っています。そのために、ワインだと思えばワインの味がするのだそうです。
こちらの世界は思った物が何でも出てきます。ですから、食べたい物を念じれば、すぐに出てくるのでした。その上、かつて食べた記憶さえあれば、それと同じ味がするのでした。
残念なことに、食べた記憶のない物は、自分が想像した味しかしないのでした。
私はこの世界が好きになりました。
-----------------------
死後の世界も慣れれば良い世界のようです。
もっとも、誰がどんな世界に行けるのかは個々に違うようです。
それは、各人の問題と言えましょう。
3.幽界での睡眠
私は夜になると寝ないといられないタイプです。
というのも、やはり、区切りというか、一日の終わりがないと、どうもしっくりこないのです。それなのに、こちらの世界には夜がありません。なぜだか、ずっと明るいのです。そうなると、どうも気持ちが落ち着かないのです。
私は先輩に尋ねました。
「どうしたら、眠ることができるのでしょうか。
」 すると、私から見て年下に見える男性の霊魂がこう言いました。
「寝ようとしても無理ですよ。基本的に地上にいた頃とは使っている体が違いますからね。眠る必要がありません。それなのに、寝ようとしたってどうしようもありませんよ」
私はがっかりしました。考えてみると当たり前のことでした。私は肩を落としながら、とぼとぼと歩いていました。
100メートルも歩いたでしょうか。いつも挨拶する初老の紳士に出会いました。この人、いや霊魂は大変な博学で、分からないことはこの人に聞けば良い、と皆が言う程なのでした。
その紳士が答えてくれました。
「睡眠は霊には不必要だなあ。だからといって出来ないというわけでもないがなあ」
「どういうことですか?」
「ようするに、この世界は思えば何でも現れる。つまり、それが命ある物でない限りは自分の心で描いた物が少なくとも自分の目には映るのじゃ」
「はあ」
私にはあまり良く分からなかったのですが、とにかく、相槌を打つのでした。
紳士が話を続けました。
「要は、自分が寝るベッドを作って、そこで、眠る、と念じれば良いのだよ」
「それでいいんですか?」
私はあっけに取られるばかりでした。それでも紳士は平然とこう言いました。
「自分の念で他の人間を動かそうとする、相手も念を出す。だから、なかなか思いどおりにならん。だがのう、自分で自分に命令する分には誰も意義を挟まん。
そうなれば、たとえ、本当には寝ていないとしても、本人は寝たつもりになれるのじゃ」
「そんなことあるんですか?」
「まあ、騙されたと思って、一度試してみるんじゃなあ」
紳士は笑いながら行ってしまいました。
私は早速、念でベッドを出すと、自分に眠ることを要求したのでした。
果たしてどのくらい経ったのでしょう。私は眠りから覚めていました。おそらく、4~5時間は経ったと思えました。
ところが、すぐ側にさっきの紳士が立っていたのです。
紳士が言いました。
「寝た気になれましたか?」
「えっ?」
驚く私に紳士がこう言いました。
「私がすぐに引き返したからいいものの、先にちゃんと、目が覚める、と言っておかないと、ずっと、目が覚めませんよ」
私はどう返事をしようもありませんでした。
何と、私はほんの数秒しか目を閉じていなかったのでした。
4.幽界での喧嘩
私は死後の世界があるとは思ってはいなかったので、最初はかなり混乱しました。ところが、そのうち、馴れてきて少し落ち着きました。ところが、その落ち着きもすぐになくなりました。それは、この世界の住人、つまり霊魂たちが行なう激しい喧嘩を見たからです。
それはもう尋常ではありませんでした。何人かがグループになって、たった一人の霊魂に強い念を浴びせるのです。そうなると、やられた側は大変です。物凄い形相で苦しんでいるのです。
私は何とか助けてあげたいと思いました。それでも何も出来ませんでした。何しろ、相手は大勢です。私としてはどうすることも出来ません。他にも目撃した方は何人もいました。それでも皆、関わりたくないようで、知らん顔をしているのでした。
私としては初めてのことで、もうどうして良いのかも分からず、ただ立っていたのです。
やがて、喧嘩が終わりました。いや、喧嘩ではありません。集団によるリンチです。
そして、皆、どこかへ消えて行きました。一人残された犠牲者は、あれだけ痛め付けられたのに、死んではいないのです。というか、死ねないでいるのです。
地上とは違って、どれだけ痛め付けられても死ねないのです。私は混乱しました。そして、恐怖でいっぱいになりました。それからというもの、他の霊魂に会うのが怖くなってしまい、知らないことを質問することさえ出来なくなりました。
そして、ずっと孤独でいました。
やがて、私が立ち直る事になりました。それは、喧嘩の仕方を覚えたためでした。ある時、ひょんな事から必勝の喧嘩法を覚えたのです。
それはこうです。
まず、相手の目を見る。そして、念じる。これだけでまず、勝てたのです。
なぜなのかは分かりませんが、どうしてか、私の方が勝るのでした。
こんな事でやっと、立ち直った私でした。
--------------------
死後の世界では、ショックを受けると、なかなか立ち直るれないのかもしれませんね。
5.ある霊魂の旅
山本さん(仮名)は、霊魂の世界に入ってから、地上の時間ですでに数十年は経っている霊魂でした。つまり、普通なら、もうとっくに霊魂の世界に慣れていなければならないはずなのでした。ところが、山本さんは霊魂になっても地上の事ばかり気にしていたようで、新しい世界になかなか溶け込めず、いまだに分からない事がたくさんある初心者のような霊魂なのでした。
そんな山本さんが霊魂の世界に入ったのは、どちらかというと下の方の世界でした。山本さんの家はお寺だったので、死後は当然、上の方の世界に行くつもりだったようです。ところが現実は、逆でした。何しろ、地上にいた頃は、仏教は霊魂の存在を否定していると言っていた方です。それなのに山本さんは、職業として先祖の供養をしていて、万に一つ、死後の世界があった場合は、極楽の方へ行けると考えていたのでした。しかし、現実は甘くありませんでした。霊魂を信じていないのに、いくら先祖を供養しても、それで自分が極楽へ行けるはずなどなかったのです。
山本さんが霊魂の世界を抜け出したのは、ちょうどお盆の頃でした。お盆になると、一部の霊魂は地上に帰って行きます。上の方の世界では、許可の出た霊魂だけなのですが、下の方の世界の場合は、時々、地上に帰る方法を知っている霊魂がいるようで、そうした霊魂に聞いた一部の霊魂達は、地上に戻る事があるようなのでした。
山本さんが地上の家を見つけるのは、比較的簡単でした。何しろ、お寺だったので、すぐに分かったのでした。
山本さんはなつかしい我が家に戻ると家族に対して必死に訴えました。もちろん、死後の世界の実在についてでした。それでも、家族は誰一人気付きません。それどころか、死後の世界なんかあるはずがないと笑っています。
(このままでは、皆、自分の二の舞になってしまう。)
山本さんは、とうとう決心しました。山本さんは霊魂の存在を気づかせようとさまざまな細工をしました。時には、蝋燭の炎を揺らそうとしたり、また時には、幽霊として出現しようとしました。ところが、どうやってみても、うまく行かず、何の効果もないのでした。
とうとうお盆は終わりました。それでも、山本さんは家を離れませんでした。それから五か月経ちました。この家の人には、なぜか、悪い事ばかり起こるようになりました。どうやら、山本さんの行なう行為がことごとくうまく行かず、結果として、山本さんは、悪霊同然となってしまったそうです。