宗派:天台宗 本尊:如意輪観音 開基:裸形(らぎょう)上人
本堂(重文) 桃山時代 縁起
「補陀洛(ふだらく)や岸打つ波は三熊野(みくまの)の那智のお山にひびく滝つ瀬」と御詠歌で親しまれている西国第一番の札所であります。当山の縁起に開基は仁徳帝の頃(4世紀)。印度天竺の僧、裸行(らぎょう)上人が那智大滝において修行を積みその暁に滝壷で24cmの観音菩薩を感得し、ここに草庵を営んで安置したのが最初です。
その後、200年推古天皇の頃、大和の生佛上人が来山し、前述の話を聞き一丈(3m)の如意輪観世音を彫み、裸形上人が感得した24cmの観音菩薩を胸佛に納め勅願所として正式に本堂が建立されたのです。
平安朝中期から鎌倉時代には、「蟻の熊野詣」といわれ、熊野三山の信仰がさかんになり、この時、65代花山法皇が三年間山中に参籠され那智山を一番にして近畿各地の三十三観音様を巡拝されましたので、西国第一番札所となりました。
現在の本堂は織田信長南征の兵火にかかり、天正18年(1590)豊臣秀吉によって再建され、桃山時代の建築をとどめ南紀唯一の古い国指定の重要文化財建造物で、この堂の高さは18mで、大滝の落口の高さとおなじであるといわれています。
青岸渡寺尊勝院は、中世以降は天皇、皇族の熊野詣での宿泊所にあてられていました。不開門は同院の入り口にある唐破風の四脚門で有名。なお、大正7年に那智の滝参道口・沽池と呼ばれるところから発掘された、飛鳥・白鳳時代から鎌倉時代初期にかけての熊野信仰を知る貴重な那智経塚出土品のうち、白鳳、奈良時代の観音菩薩立像、また藤原時代後期の金剛界三昧耶形(曼荼羅を立体的に表現)が国指定重文になっています。境内からは那智の滝、那智原始林、太平洋の眺めもよく、南北朝時代の重文・宝篋印塔(4.3m)や梵鐘があります。
本堂正面 厳しい階段を登る 裸形(らぎょう)上人
山門と湛慶作の金剛力士像 熊野権現の鳥居 清浄水
境内案内
三重塔 信徒会館 宝篋印塔(重文) 大黒天堂
五色椿 鐘楼 尊勝院
金剛界曼荼羅(重文) 観世音菩薩像(重文) 大日如来(重文) 大鰐口
近隣の見所
那智の滝壺 熊野権現宮 妙法山阿弥陀寺
アクセス 関連サイト(青岸渡寺) 慈悲の道(法話・行事)
場所………〒649-5301
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8番地
電話………0735-55-0404
FAX………0735-55-0757
交通………JR京都,新大阪,天王寺より
JR名古屋より勝浦下車
路線バス
タクシーあります。
バス、自家用車は阪和自動車道からR42号線 また 名古屋方面からは伊勢道 勢和多気でR42号線に乗り那智山道へ
駐車場……有(附近バス50台,自家用車300台)
拝観時間…5:00〜16:30
納経時間…5:00〜16:30
バリヤーフリー状況
車椅子の方は階段では無く防災道路を使用して車で本堂近くまで登れます。
滝より少し登った右側に入口有り
専用タクシーも有ります。
駐車場の近くに障害者用トイレがあります。
景観・見所
熊野三山として熊野那智大社・熊野本宮大社・速玉大社に隣接し
那智の大滝(133M)の見える
高位置にあり景観は素晴らしい。庭園の手入れも行き届き五色椿が見ものである。
境内には天然記念物のイヌグスもあります
世界遺産に登録:
2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録された。
「青岸渡寺」、「熊野那智大社」はこの世界遺産の中に含まれている。
熊野那智大社や青岸渡寺の信仰の原点である「那智大滝」は
自然信仰の重要な構成要素になっている。