あとがき

 最近「老人」のことが、わが国の大きな社会問題の一つとなってきました。 これは戦後日本の世の中が大きく変わってしまったために、老人が時代の谷間に落ち込み、そこに取り残され、あえいでいるわけで、これまで社会の変革を遂行してきた政府は何をさしおいても速やかに対策を立て、これまでの日本の繁栄に尽くしてきた老人を見殺しにすることのなきようにしていただきたいものです。 また、北欧の例によっても判るように、いかに社会福祉の施設が充実しても、それだけで幸せがくると考えるのは早計であります。

 日々幸せを感じて生きていけるかどうかは、人それぞれの心にあります。

「からだに年は寄るとも、心に年を寄せるなよ」との釈迦の言葉に思いを馳せ、少々不都合な環境にあっても、「少欲知足」、欲を小さく足るを知り、何事にも有難いという感謝の心を忘れず、喜びの日々を送りたいものです。

 一人ひとりが周りを明るく照らす心で日々を生きていくならば、この世はもっと素晴らしいものになるのではないでしょうか。

『参考文献』

「観音信仰事典」戎光祥出版、「全国霊場辞典」六月書房、「熊野詣」淡交社、「日本社会事業の歴史」勁草書房、「社会福祉と日本の宗教思想」勁草書房、「仏教社会福祉辞典」日本仏教社会福祉学会編、「古寺巡礼辞典」東京出版、「探訪日本の古寺」小学館、「巡礼・遍路がわかる事典」日本実業出版社、「日本仏教福祉思想史」法藏館、「仏教文化事典」佼成出版社、「社会福祉辞典」大月書店、「社会福祉と仏教」百華苑、「般若心経講和」高野山出版社、「熊野古道」向陽書房、「観音信仰入門」朱鷺書房、「西国巡礼慈悲の道」西国三十三観音霊場各寺院「観音のきた道」講談社現代新書、「観音信仰」塙選書、「遍路と巡礼の社会学」人文書院、「西国三十三所霊場寺院の総合的研究」中央公論美術出版、「全国神社仏閣ご利益小事典」燃焼社、「古寺巡礼―101」JTBパブリッシング、「各種公開ホームページ」