「渚のミラクルデビュー」後編
大伴家居間
ユミは頬づえを付きながら、優達の会話を聞いている
駿:だって、ユミちゃんのお願いじゃことわれないよなー?優二
優二:うん!も、もちろん
絵梨:・・・
優:まったく、俊夫も意外と策士なんだから・・
俊夫:ち、違うって!・・・なーみどりー
みどり:はぐはぐ(食事中)んー?
俊夫:ったくー・・
愛:ま、さすが、慎悟ってところね・・
パルテノン事務所
帰ってくる木所
木所:た、ただいまもどりましたー・・(席に付く)
慎悟:おほん・・できてるんだろーなー?木所・・
木所:は、はい!(立つ)ここに(原稿を見せる)
慎悟:ん(うなずく)ま、よかろう・・(席を立つ)
慎悟:・・木所、(肩に手を置く)そう気にするな・・
慎悟:(明るく)失敗は誰にでもあるもんだー、だろー?(にやけて)
木所:はー・・
慎悟:んー、んー(うなずく)ぬははははは(出て行く)
木所:はー?
大伴家玄関
ユミ:今日はごちそうさまでした(おじぎ)
俊夫:いやー、こっちこそ助かったよ
みどり:うん
愛:まったく・・
優:またいつでも来てね、ユミちゃんなら大歓迎
ユミ:はい
優:あ、そうそう立花さんに私達も行くって言っといてね
愛:慎悟によろしくって
俊夫:はは・・と言うわけだから・・・
ユミ:はい、じゃ
駿:あ、待って待って・・え、駅まで送って行きます・・
俊夫:おーー
優:・・(ちらっと真美を見る)うーん(苦笑い)
真美:うーーー(くやしそうに)
ユミ:くす(笑う)ありがと、駿ちゃん
駿:い、いえいえ(靴履きながら)
優二:あ、じゃ、俺も!
絵梨:わ、私も!
愛:なに言ってるの、まだ話は終ってないのよ(襟首つかんでつれてく)
優:そーゆうこと(優二もつかまれる)
優二:・・とほほ
ユミ:じゃ、3人とも来週よろしくね(かがんで手を振る)
駿:じゃ、じゃー、い、行きましょうか
ユミ:うん
玄関が閉まる、居間に戻っていくみんな
真美:うーー、ふん!(戻ろうとする)
ポジ:真美ちゃん、私達にまかせて
真美:(かがんで)う、うん・・
ネガ:えー、なにが?(ソーセージ食ってる)
ポジ:いいから、行くのよ!(手をつかむ)
ネガ:わーー(つれてかれる)
道路
ユミと駿が歩いている
ユミ:あのさ・・駿ちゃん(同時)
駿:ユ、ユミちゃん!(同時)
ユミ:あはは、なーに、駿ちゃん?
駿:え!えーと、その・・
ユミ:ん?
駿:お、俺も、来週、い、行っていいかな
ユミ:あはは、うん、もちろんいいにきまってるじゃない
駿:ほ、ほんと!?(うなずくユミ)
駿:あ、ありがと・・じゃ、じゃーさ、ユミちゃんの方はなに?
ユミ:え、うん・・・あたし、もしかして・・・
駿:ん?
ユミ:・・ううん(サングラスを掛ける)なんでもない・・
ユミ:じゃ、今日はありがと(走る)、駿ちゃんもまた来週ね(振り返って手を振る)
駿:う、うん
物陰
ポジ:ふーん・・
ネガ:は?
パルテノンビル前
マイクロバスや機材を積んだトラックが並んでいる
マモ:よー、木所ちゃーん、いい仕事するねー(背中を叩く)
木所:まったくー、大変だったんですよー
マモ:わははは、わかってる分ってるって(背中を叩く)
大伴家、如月家到着
俊夫:あ、立花さーん
みどり:お待たせでーす
慎悟:おう・・(優と愛に気づく)・・と、俊夫君・・(半べそで手をつかむ)
俊夫:(顔をそらす)あ、あー・・そうそう監督ー・・(振りほどいて立ち去る)
みどり:あ、よいしょと(荷物持ってバスに乗る)
優:こんにちは、立花さん(笑顔)
愛:おひさしぶりです、慎悟さん(笑顔)
慎悟:(ビシッとなる)や、やぁ・・(振り向く)・・2人とも良く来てくれたねー・・
優:さっすが、立花さんですね(笑顔)
愛:お変わりなさそうで、なによりですわ(笑顔)
慎悟:えー、な、なんのことだろー・・あはは・・
優と愛:・・ふー(お手上げって感じでバスに乗る)
絵梨:あ、真美こっちこっち(歩いてくる)
真美:あ、うん(付いてくる)
慎悟:おー、君達が絵梨ちゃんと真美ちゃんかー、うんうん、2人とも、かーいいねー
慎悟:きっと、美人になるよ・・ふ(歯が光る)
絵梨:そ、それはどうも・・(小声で)い、いこ真美
真美:う、うん(バスに乗る)
慎悟:でだ、ぜひ今回だけじゃなく(目を開ける)・・ってあれ?・・(ガクッとなる)
優二:おっす!、おっちゃん・・じゃなかった・・社長のおじさん!
慎悟:(ピクっとなって振り向く)き、君が優二君だね、げ、元気があっていいねー
慎悟:ひとつ、その調子で、たのむよ
優二:まかせとけって、社長のおっちゃん!(歩き出す)
慎悟:うんうん・・(ピクピクっとなって見送る)
駿:どこいるんだ、あいつ・・(キョロキョロしながら)
駿:(前を向いて)あ、こ、こんにちはー、今日は・・
慎悟:(振り返る)やー駿君、ま、これからも、ぜひユミを応援してやってくれ
駿:は、はい!(行こうとする)
慎悟:あー、そうだ、駿君ちょっといいかなー(手招き)
駿:は、はい・・(慎悟の近くへ)
2人で話す慎悟と駿
慎悟:・・と、言うわけでねー・・・
駿:・・・そうなんですか・・・
慎悟:・・・そーゆうことだから・・・
駿:まかせて下さい!(キリッとしてバスに向かう)
慎悟:うんうん、がんばってねー(にやにやしながら手を振る)
駿が来る
優二:どったの?駿兄ー?
駿:どーもこーもあるか!・・あんのやろー・・こないだ気ずいてれば・・
優二:なに?誰のこと?
駿:ん?決まってんだろレイってやつだよ!
駿:おまえもユミファンならガツンと言ってやるんだぞ!
優二:(目が点)そ、そだね・・ち、ちなみになんて?
駿:まず!ユミちゃんに迷惑掛けんなだろ・・それからー(考えながらバスに乗る)
優二:な、なるほどねー・・(固まる)
真美:(窓から)あーあー、おにいちゃん大変だー(笑って)
ネガ:(窓枠)あははは、傑作傑作
絵梨:(窓から)あんた、今ごろ事の重大さに気が付いたわけ?
ポジ:(窓枠)はは・・と、とりあえず優二君、早く乗って乗って
スタッフと打ち合わせが終った慎悟
慎悟:・・ではと(乗ろうとする)・・っておい!木所ーー!
木所:は、はい!
慎悟:めぐみとユミはどーした?!
木所:なんでも、めぐみさんの車でいくそーですよー、聞いてませんー?
慎悟:きーとらんわ!・・ったくー(乗ろうとする)・・って如月ー!
みどり:はーい
慎悟:リエちゃんとレイはどーした?!
みどり:えーとぉー、なんかー先に行ってるそーですー
慎悟:・・あっそー・・ってあのなー!
木所:まーまー、連絡つくんだから大丈夫でしょ・・それに、そろそろ行かないとー
慎悟:まったく・・よし、出発するぞ!
めぐみの車内
ユミ:ママ・・・
めぐみ:ん?(運転中)
ユミ:あたしさ・・勝手なこと・・しちゃったのかなーって・・
めぐみ:・・あの子達のこと?
ユミ:・・う、うん・・
ユミ:あ、あの時は、いい考えだと思ったの!(めぐみを見る)
ユミ:でも・・今は・・
めぐみ:(独り言)慎悟の血ねー・・
めぐみ:そうね、いつのまにか、乗り気だものね、慎悟は・・
ユミ:だ、だから・・あたし・・
めぐみ:(独り言)まー、その辺にきずければ、慎悟化はしないはね・・
めぐみ:じゃー、守ってあげなきゃね(小声で)あの子達も自分もね・・
ユミ:う、うん
めぐみ:言っとくけど、あーなった慎悟は手強いわよー
ユミ:うん!すっごくわかってる
めぐみ:くす(笑う)そーね
磯浜海岸
バスが海岸に到着、みんなそれぞれ降りてくる
慎悟:んーー、いい天気だ
マモ:よーーし、じゃ、始めちゃってくれ(スタッフに)
機材を降ろしていくスタッフ達
俊夫:じゃー僕たちは、チェックインしてきますんで(歩き出す)
慎悟:ああ
優:では立花さん、のちほど(笑顔)
愛:すぐにまいりますわ(笑顔)
慎悟:は、はーい、まってまーす
マモ:あー君達(優二達を呼び止める)
マモ:すぐ、本番だからねー、たのむよー
マモ:それから君ー、何事も、本気だぞ、本気ー(絵梨に向かって叫ぶ)
絵梨:は、はーい・・
優二:は?なんのこっちゃ?
絵梨:き、気にしない気にしない・・
真美:うふ
みどり:えーと、あー、そうだあの2人も呼んどかなきゃっと(携帯を取り出す)
絵梨:パ、パパ!(腕につかまる)ホ、ホテルに付いてからでいいじゃない
みどり:んーー、そーだねー
絵梨:ふー・・
ホテルロビー
カウンター前にいる、一行
ボーイ:大伴様、如月様ですね、こちら1305と1306になります(カギを出す)
優二:もーらいっと(カギを取ってダッシュ)
優:あ!
絵梨:あ、こら!(追っかける)
真美:お、おにーちゃーん(追っかける)
俊夫:はは、忙しいやっちゃなー
愛:ふふ
優:ん?駿、なにキョロキョロしてるの?
駿:べ、別に・・
ホテル部屋前
絵梨:早く、早く
優二:ちぇ、わかってるよ・・(ブツブツ言いながらカギを開ける)
真美:うふ
優二がドアを開けると同時に部屋に入る絵梨と真美
絵梨:早く入って閉めて!
優二:へーへー(ドアを閉める)
絵梨:えーと(ポッケから携帯を出す)あ、こっちじゃなかった(しまう)こっちこっち
優二:ん?な、なんで二つも!
絵梨:なにいってんの?あったりまえでしょ?
真美:ほら、わたしもー(見せる)
優二:・・なんだよそれー・・・(ガクっとなる)
絵梨:ぷ(笑う)・・さーてと
カウンター前
優と愛が話しながら歩いていく
ボーイ:では、ごゆっくり(お辞儀)
俊夫:よし、俺らも行こうぜ
みどり:あ、としおちゃん待って・・(携帯を出す)はい?・・あーリエちゃん
みどり:・・そー、わかった・・うーん出番はねー、夕方ごろかなー・・
みどり:でもー、なるべく早く来てねー・・はーーい(切る)
俊夫:ん?リエちゃん?
みどり:うん、ギリギリまで一人で練習したいんだってー
俊夫:おおー・・でレイ君は?
ホテル部屋内
絵梨:ふー・・(ベットに座る)
優二:んじゃ、俺も・・(携帯を出す)
絵梨:あー、待って、あんたは・・・
優二の携帯が鳴る
優二:お?ちょうどいいや
絵梨:ダ、ダメー!(飛びつく)出ちゃダメ!(取り上げる)
優二:な、なんだよ、返せよ
絵梨:あんたは、変身しないとダメよ!
優二:へ?
絵梨:き、気づいてないの?声が違うのよー、全然!
優二:へー・・あー、そーいえば・・(上を向く)
絵梨:いいから、とっとと変身!
優二:へーへー
真美のポシェット内
ネガ:疲れるやっちゃなー・・ほんとに・・
ポジ:はは・・ま、まーまー
エレベーター前
みどり:あ、やっと出た・・・うん・・えーとねー・・
優:俊夫ー、早く早くー(ELVに乗って手招き)
俊夫:あ、ああ(みどりを見る)
愛:みどりー、どーしたのー
みどり:はーい(愛に返事)・・・んじゃ、いそいでねー(携帯を切る)
ホテル部屋内
レイ:はーー(ため息)電話するにも変身かよ・・
真美:おにーちゃん、がんば、がんば(笑って)
絵梨:ほら!今度は変身解くの!急いで、急いで
レイ:へーへー・・・
ネガ:あははは、いやー、多少優二には同情するね、色々とさー
ポジ:なーんでよ?
ネガ:女にゃ、わからん(腕を組む)
ポジ:あっそ
撮影現場
着替え終わった絵梨が愛と歩いてくる
愛:あはは、なかなか似合ってるじゃない
絵梨:ママ・・(膨れっ面)
愛:ごめんごめん、でもほら、いつもどうりにしてればいいみたいだし?
絵梨:ママ・・(膨れっ面)
優と真美が歩いてくる
真美:へ、変じゃない?
優:ぜーんぜん、かわいいよ
駿が走ってくる
駿:よー、お嬢様(横に来る)
真美:あ、駿・・ど、どう・・?
駿:ん?大丈夫、大丈夫ちゃんと見えてるよ、お嬢様に
真美:そ、そうかな・・
駿:昔から、馬子にも衣装つってさー・・・
真美:ど、どーゆう意味!
駿:あはは(走る)まー、がんばれよー、ユミちゃん役なんだからー(叫ぶ)
真美:ちぇ・・
優:うふ
俊夫と待っている優二
優二:俺は、着替えなくていいの?
俊夫:いいのいいの、そのままで
優二:ふーん・・・
俊夫:いいか、優二がんばれよ
優二:うん、でも絵梨とケンカのお芝居するだけなんでしょ?
俊夫:あ、ああ・・でも優二、男は我慢だぞ(なでる)
優二:へ?
真美と絵梨(男装)到着
絵梨:お、おまたせー・・(野球帽を深めにかぶる)
真美:あ、おにーちゃん
優二:よー真美・・んーー?(絵梨を覗き込む)
優二:ぷ・・ぎゃはははは、め、めちゃめちゃ似合ってるよ、絵梨!
絵梨:ほ、ほほーう、こりゃ監督に感謝しなきゃ(ピクピクしながら台本を優二に見せる)
優二:(笑い涙を拭く)・・へ?(受け取る)
絵梨:よーく、見てね・・あんたのとは違うとこない・・?
優二:えーと、なになに・・・(青ざめる)「最後のパンチは本気でやれ」と書き足してある
優二:ぜ、全然似合ってない!さ、最悪だよ!いつもの方がマシ!
絵梨:ど、どーやら・・手加減してほしくないようね・・(指を鳴らす)
優二:な、なんでだよー(逃げる)
絵梨:待てー!今からリハーサルよ!(追っかける)
真美:ばっかだなー、おにーちゃん・・マシってなによ、マシって・・
磯浜海岸
マモ:カーット!、オーケー
マモ:いやー、なかなか迫力のあるシーンが撮れたよ
慎悟:うんうん
優二:・・いってーー・・もう最悪・・・
絵梨:ちゃ、ちゃんと手加減したでしょ!
優二:へーー(横目)じゃー本気なら死んでたかもなー
絵梨:ど、どーゆう意味よー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というわけでして、いまのとこ、ここまでです・・・こっからどーするかは一応考えてありますが・・
もうしばらく、お待ちくださいTT