「スクランブル・オーディション」
セントレミー学園教室
優二が走って教室に入ってくる
優二:絵梨!ひでーじゃねーか、分ってるくせにー(机の前に来る)
絵梨:あ・・おはよう優二
優二:どーゆーことだよ!
絵梨:私を恨まないでね(そっぽ向く)駿兄ーのいい付けなんだから
優二:(小声で)くそー、駿おじさんめ・・
絵梨:駿兄ーも恨んじゃだめよ、自業自得なんだから
優二:はいはい・・わかったから早く出してくれよ!
絵梨:はい、どうぞ(宿題を渡す)
真美が教室に入ってくる
真美:おっはよー
絵梨:あ、おはよー真美ちゃん
真美:ん?おにーちゃん、なにやってるの?
絵梨:あはは、それがさー
優二:うるさいな!気が散るだろ(答えを消している)
優二:あー!、ここの答えなんだっけ・・・
絵梨:あははは
パルテノンプロ事務所
慎吾:どうだ?、木所ー
木所:すっごい、反響ですーほらー(手紙の束を見せる)
慎吾:そーだろ、そーだろ
木所:じゃ社長ー早速、選考しませんかー
慎吾:あ、あーそうだな・・
慎吾:木所!
木所:は、はい?
慎吾:おまえの、脚本だ・・おまえに一任する
木所:ほ、ほんとですか?(席を立つ)
慎吾:ああ、俊夫君ともよく相談してな
木所:は、はい!わかりました
慎吾:たのんだぞ(肩をたたく)
慎吾は事務所を出て行った、木所は電話を取る
木所:あ、すみません俊夫君お願いします
木所:あー俊夫君?明日、会社まで来てもらえるかなー?
俊夫:え?ええ、いいですけど、どうしたんです?
木所:例の選考なんだけど、僕が一任されてねー
俊夫:えー、あの立花さんが?
木所:そうなんだよ、社長もやっと僕の腕がわかってきたのかなー
俊夫:はは・・(小声で)とっくに分ってると思うけど・・
木所:ん?なんか言ったかい?
俊夫:い、いえ、分りました、じゃ、明日
木所:うん、よろしくねー
ビル内喫茶店
慎吾:ああ、分ってる、そっちこそ約束を忘れるなよ
???:それは、そっち次第だよ、君・・
慎吾:ふん・・では
慎吾は携帯を切った
セントレミー学園職員室
愛:ゆ、優二君、これどーゆうことかしら(プリントを見せる)
優二:それはそのー・・
愛:こうなったら、優・・じゃなかった、お母さんにゆうしかないわね?
優二:先生、それだけは許して・・
愛:んーー、しょうがない、今度のテストで60点以上なら、ゆるしてあげる
優二:えーーー
愛:家庭訪問がいいかなー?
優二:わかりました!
愛:うん、がんばってね
優二と真美の部屋
絵梨:ほら、ポジ見本みせてあげて
ポジ:はーい
ポジ:にゃーん、にゃーん
真美:わー(手を叩く)
絵梨:うん、いい感じよ、じゃ、ネガも
ネガ:ほ、ほんとにやるのー?
ポジ:ほら、ネガ!
ネガ:わ、わかったよ・・・にぃやー
絵梨:あははは
真美:うふ
ポジ:まじめにやりなさいよ
ネガ:やってますっての!
パルテノンプロ事務所
木所:うーん、なかなか難しいねー
俊夫:ええ、タレントもまじってますし
木所:えーと、俊夫君この子なんて、どうかなー
俊夫:どれどれ、へーなるほど
木所:僕のイメージにぴったりだよー
俊夫:まずは、一人決まりですね
木所:うん、さーがんばるぞー
レッスン室
レッスン終了で2人は帰り支度をしている
ユミ:レイー
優二:ん?
ユミ:今日は予定ある?
ユミ:これから、私のミニコンサートあるんだけど・・
優二:うん、知ってる・・
ユミ:え?
優二:い、いや
ユミ:でね・・よかったら、見に来てほしいなー・・
優二:うん、もちろん
ユミ:ほんと!ありがとう
ユミ:じゃ、あとでねー
優二:うん
ユミは部屋を出て行った
ネガ:おいおい、そんな約束していいのか?
ネガ:知らないぞ、遅くなっても
優二:へへ、大丈夫だって、駿兄ーと約束したもんね
ネガ:はー?
如月家
絵梨はテレビを見ている
愛:ただいまー(玄関から入ってくる)
絵梨:あ、おかえりーママ(テレビを見ながら返事をする)
愛:絵梨ちゃん、ファンレターの返事届いてたわよ(居間に入ってくる)
絵梨:ほんと!どこから?(振り返る)
愛:なーに、今度はパパの会社のタレントさん?
絵梨:え!(立ち上がる)
愛:でも、よく届いたわね・・
絵梨:見せて!(駆け寄って手紙を取る)
絵梨:やったーー、あははは
愛:名前も間違えられてるのに、そんなにうれしいわけ?
絵梨:そんなの関係ないもん!やっほー
愛:ふーん
コンサート会場控え室
優二が部屋に入ってくる
優二:ユミちゃん
ユミ:あ、レイ!
優二:・・・感想はどうかなー?
優二:すごかったよ、ビデオで見るより迫力あったし
優二:お客も、すごいしさー
ユミ:ふふ、ありがとう
ユミ:・・レイもがんばってね・・
優二:まーぼちぼちね
ユミ:うん!一緒にがんばろうね
優二:う、うん・・ところでさ、お願いがあるんだけど・・
ユミ:ん?
優二:サイン一枚もらっていい?(色紙を出す)
ユミ:あははは、どうしたの?
優二:ちょ、ちょっとね
ユミ:ふーん、いいわよ何枚でも!
優二:サンキュー
大伴家
真美と絵梨が帰ってくる
真美:ただいまー
優:おかえりー(玄関まで来る)
絵梨:お邪魔しまーす
優:あ、いらっしゃい、あれ?優二は?
絵梨:なんか、お店寄るっていってました
真美:うん
優:ふーん、じゃ、後でお茶持っていくね
絵梨:い、いえ、ほんとお構いなく
真美:私、なんか冷たいのがいいな
絵梨:(小声で)ちょ、ちょっと
真美:あ、いっけね
優:ん?
絵梨:な、なんでもないんです、行こう真美ちゃん
真美:うん
2人は上に上がっていった
クリーミィー店内
優二:どもー(ドアを開けて入ってくる)
哲夫:よー、いらっしゃい
なつめ:いらっしゃい
哲夫:昨日は図書館で勉強してたんだって?
哲夫:えらいなー
なつめ:ふーん
哲夫:いや、さすがおじーちゃんの孫!
優二:ま、まーね・・で駿兄ーは?
なつめ:駿なら、部屋にいるわよ
優二:じゃ、お邪魔しまーす
優二は2階へ上がっていった
なつめ:なーんか、あやしいのよねー
哲夫:またまたー、なっちゃんも疑り深いんだから
なつめ:だって、優の困ったときの顔に似てるんだもん
哲夫:あはは、まーいいじゃないか男の子なんだし
なつめ:もー、てっちゃんたら・・
優二と真美の部屋
真美と絵梨が部屋に入ってくる
絵梨:ネガ、ポジ出てきていいわよ
ネガとポジがベットの下から出てくる
ネガ:はー、今日はやばかったー
ポジ:ええ
真美:ん?
ネガ:いや、優・
ポジ:(小声で)バ、バカ
ネガ:・・優二のママさんが掃除に来てさー
ポジ:そ、そうなの
絵梨:あはは、それはそれは
真美:じゃ、早く、がんばんないとね?
ネガ:あ、ああそうだな
ポジ:そ、そうね
絵梨:さ、今日からいよいよ演技よ!
真美:がんばってね?
ネガとポジ:おー(ガッツポーズ)
絵梨:だめだこりゃ・・
駿の部屋(元、優の部屋)
優二が部屋に入ってくる
優二:どもー
駿:よっ
駿:でー?ほんとにもらって来れたのか?
優二:へへーまかせてよ、ほら(色紙を出す)
駿:おおー・・でも優二もユミちゃんのファンだとは知らなかったなー
優二:ま、まーね・・でさ、これからも電話するからたのむね
駿:しょうがないなー、ま、気持ちはわかるよ・・・俺も行きたかったなー・・
優二:へへ、さんきゅ
優二と真美の部屋
絵梨:ふーん、意外とやるわね二人とも
ネガ:まーな
ポジ:まーね
絵梨:でも、ネガさー、後ろ足で耳かくやつはへたねー
ネガ:ギク!
真美:へへーポジ見本、見本
ポジ:ネガよく見てるのよ(後ろ足で耳をかく)
ネガ:お、おまえいつのまに・・
ポジ:あら、おいこしちゃったかしら?
ネガ:くそー
階段を上がってくる音
真美:あ、ママが来た・・
絵梨:(小声で)ネガ、ポジ早く隠れて!
ネガ:いそげいそげ
ポジ:わー
ネガとポジがベットの下に入ると同時に優が部屋に入ってくる
優:はい、おまたせー(ジュースを持ってる)
真美:ママ、ありがとう(ジュースを受け取る)
絵梨:いただきまーす(ジュースを受け取る)
優:なーに、2人でなんか相談?
絵梨:い、いえ優二のやつ遅いなーって・・
真美:う、うん
優:そういえば、そうだねー
優二:ただいまー
優:あ、ほら帰ってきたよ
絵梨:ほ、ほんとだー
優は部屋を出て行った
真美:ふー・・
大伴家玄関
優:おかえりー、絵梨ちゃん来てるからね
優二:へー、あいつ来てるんだ
優:・・(小声で)まったく・・
優:ちゃんと手を洗って、自分のジュース持っててね
優二:俺はいいよ、ほら(クレープとジュースを見せる)
優:あ、そう
優二は2階に上がっていった
優:あの、にぶさは俊夫並だよ・・
優二と真美の部屋
優二:おーっす
真美:おかえり、おにーちゃん
絵梨:へー、ちゃんとネガとポジのご飯持ってくるなんて偉いじゃん
優二:え?
絵梨:え?じゃないでしょ(クレープを取る)
優二:あ
真美:おにーちゃん、たのんだよね?
優二:あ、あー、う、うん・・
ネガ:さんきゅー、優二(クレープを食べる)
ポジ:いただきまーす、優二君(クレープを食べる)
優二:あ、あ・・ちぇ
絵梨:ぷぷ
真美:おにーちゃん、今日は行かなくていいの?
優二:へ?あー今日はお休みだってさ
絵梨:ふーん、さぼったのかと思った
優二:なにー
絵梨:ふん(そっぽ向く)
優二:このー・・
真美:うふ
パルテノンプロ会議室
慎吾:おまえなーー、なんでこの娘を落とすんだよ・・
木所:だ、だってライバルプロのタレントですし、歳も高いですよー
慎吾:ああ、たしかに、そうかもしれん(後ろを向く)・・だがなー、決まっているのだ・・
木所:はー?
慎吾:(振り返る)つまりだ!そーゆう約束なんだ・・
木所:あーー!、いーけないんだ、いけないんだ、やーらせなんていけないんだー
慎吾:やかまし!
木所:(小声で)めーぐみさんととっしおくんに言ってやろー(そっぽ向く)
慎吾:(胸倉をつかむ)お、おまえなー、もし言ったらどーなるかー
木所:・・し、しかしですねー社長ー・・
慎吾:(手をはなす)それになー木所、聞いたからにはおまえも共犯だ・・あきらめるんだな
木所:そ、そんなー・・
慎吾:じゃー、たのんだぞ木所ー
慎吾は部屋を出て行った
優二と真美の部屋
優二:あははは、ネガさー俺に付いて来ないで練習すればー?
ネガ:く、くそー
絵梨:こりゃ、ネガはかなり、問題だわ
真美:うん
ポジ:ネガ、あんたもっとがんばりなさい!
ネガ:ふん!(そっぽ向く)
優二:あ、そうだ、
絵梨:ん?
優二:おまえさー、携帯持ってたっけ?
絵梨:うん、もってるよ、パパにこの前、買ってもらったんだー
優二:じゃーさ、いいこと教えてやるよ
ネガ:あ、こら
優二は携帯の魔法の話をした
絵梨:へー
真美:いいなー2人とも・・
絵梨:まーまー
真美:いいもん、今度パパに買ってもらおっと
優二:そうだな、でも真美、俺が携帯持ってるの内緒だからな
真美:はーい
絵梨:真美ちゃん、今日からさ、ポジ家につれてっていいかな?
ポジ:え?
真美:うん、いいけどなんで?
絵梨:い、いよいよ実地訓練ってわけ
真美:大丈夫かなー・・
絵梨:ポジなら大丈夫よ、ネガは心配だけどねー
真美:そうだねー
ポジ:ちょ、ちょ
絵梨:じゃ、そろそろ帰るね(ポジを抱き上げる)
絵梨:じゃーね、優二
優二:おう
絵梨:またね真美ちゃん
真美:うん
ネガ:くく、じゃーなーポジ
ポジ:ちょっと、ネガー!
絵梨はポジを胸ポケットに入れると部屋を出て行った
如月家玄関
絵梨:大丈夫、おちついてポジ、訓練訓練
ポジ:え、ええ
絵梨:ただいまー(家に入る)
愛:おかえりー
絵梨はキッチンに入る
絵梨:ママ、ほらかわいいでしょ(ポジを見せる)
ポジ:にゃーん
ポジ:(小声で)・・あれ?・・えーとこの人ー・・
愛:ん?あらー、かわいいわね、その子拾ったの?
絵梨:ううん、友達の猫あずかったんだー
愛:ふーん・・かわいいから、飼ってもいいのよ?
絵梨:ありがとう、じゃときどき連れてくるね(ポジをおろす)
愛:そう、じゃ、パパにも紹介しないとね
絵梨:パパ今日帰ってくるの?
愛:うん、コンサートツアーも終ったみたい
愛:だから、今日はご馳走よ
絵梨:やったー
ポジ:にゃーん
みどり:ただいまーー
絵梨:あ、帰ってきた
愛:おかえりー(玄関に行く)
みどりと愛がダイニングに入ってくる
愛:もうちょっと待っててね、今日はご馳走よ
みどり:わーー、うん!
絵梨:あ、パパ紹介するね(ポジを抱く)ポジでーす
みどり:へー、かわいいねー・・・あれーー?(じっと見る)
ポジ:えー、うそーー
絵梨:(大きい声で)わーー(小声で)こ、こらポジ
ポジ:にゃーん・・
みどり:んーーと、なんだっけ・・(考え込む)
愛:さー、できたわよふたりとも!(料理を運ぶ)
みどり:はーーい(走っていく)
絵梨:(小声で)ど、どーしたのよ、ポジ
ポジ:(小声で)ちょ、ちょっとびっくりしちゃって・・
絵梨:(小声で)え、なんで?
愛:絵梨ちゃん、早く来なさい
絵梨:はーい(歩いていく)
ダイニング
3人と1匹は食事をしている
愛:でも、偶然ねーその子、ポジって言うんでしょ?
ポジ:うわ・・(テーブルの下で)
絵梨:うん
みどり:はぐはぐ(食事中)
愛:優もねー昔、ノラネガとノラポジって猫飼ってたのよ
絵梨:・・え?
愛:ねー、パパ
みどり:はい?・・えーとぉ・・あー!うん飼ってたねー
愛:もしかして、その子、優二君ちの猫?
絵梨:う、ううん、違うよ・・
愛:あら、そう
絵梨の部屋
絵梨:ねー、ポジー・・
ポジ:な、なあに?
絵梨:もしかして、そのノラポジって・・
ポジ:う、ううん私じゃないわよ・・こ、今度優二君のママに聞いてみたら?
絵梨:ふーん・・ま、そうよねー、あのネガがバレないわけないか・・
ポジ:そ、そーでしょ?あはは(小声で)ほ・・
絵梨:・・ところでさー、ポジ・・
ポジ:ん?な、なに?
絵梨:魔法ってさー・・・変身するだけ?
ポジ:ううん、そんなことないわよ
絵梨:そう!・・じゃ、じゃあさー・・・ダンスとかうまくなる魔法ってある?
ポジ:うん、あるけどー、なんで?
絵梨:・・あのね・・優二にも真美ちゃんにもネガにも内緒にするって約束して・・
ポジ:え、ええ、いいけど
絵梨:実は・・じゃーん(手紙を見せる)
ポジ:それって、もしかしてー・・
絵梨:うん・・オーディション通知・・
ポジ:ゆ、優二君が出るドラマの?
絵梨:う、うん(顔を赤くする)
ポジ:・・うふ、わかったわ・・でもね、絵梨ちゃん
絵梨:うん、わかってる!
ポジ:そーゆうことなら、一緒にがんばりましょ
絵梨:うん!よろしくねポジ
早朝体育館
ポジ:さ、今日もがんばろ
絵梨:ええ
絵梨は変身した姿でダンスをしている
ポジ:うん、うまいうまい
絵梨:へへ、ちょっとずるっぽいけどね
ポジ:あはは、いいじゃない、でも歌はどーするの?
絵梨:大丈夫、歌は自信あるんだー
ポジ:そう
セントレミー学園教室
優二と真美が教室に入ってくる
真美:おっはよー、絵梨ちゃん
絵梨:おはよー
優二:おー、最近早いじゃん
絵梨:い、いっつもあんたより早いわよ
優二:ちぇ
真美:・・絵梨ちゃん、なんか疲れてる?
絵梨:そ、そんなことないわよ、元気元気
真美:ふーん
優二:真美、どーせ遅くまでテレビでも見てたんだって
絵梨:こ、こいつー
優二:あはは、図星だった?
絵梨:ふん
真美:うふ
オーディション会場
ダンスの審査が終った
俊夫:あのラストの子、やるなー
めぐみ:ええ、ほんとにあれで素人なの?
木所:え、ええー、そうです
俊夫:はは、めぐみさん、あの子木所さんが一番に選んだ子なんですよ
めぐみ:へー、やるじゃない木所さん
木所:え、ええま、まーね・・
俊夫:どーしたんです?木所さん、元気ないなー
木所:い、いやー・・・あのー、と、俊夫君、めぐみさん・・
俊夫:はい?
めぐみ:なーに?
慎吾:ん、んん!(咳払い)(小声で)き・ど・こ・ろー
木所:は、はは・・さ、さー午後からはユミちゃんとレイ君も来ますし、きゅ、休憩しましょー
俊夫:え、ええ
めぐみ:う、うん
会場廊下
俊夫:木所さん、絶対おかしいですよ
めぐみ:ええ、私もそう思うわ・・
めぐみ:どーせ、原因は慎吾よ・・よーし!ひっぱたいてでも聞き出してやる
俊夫:ちょっと待ってめぐみさん・・ここは木所さんに聞いてみませんか
めぐみ:うん・・ええ、そうね
オーディション会場
応募者が順番に歌を歌っている
優二:あーあー暇だなー・・
ユミ:うふ、ねえレイ、気に入った子いた?
優二:全然・・
ユミ:あははは、あたし達のパートナーなんだから、ちゃんと審査してね
優二:うん
会場の物陰
ネガ:はーあ(あくび)暇だなー・・
ポジ:はーい、ネガ
ネガ:よう・・ポジ
ネガ:!!ってな、なんで?なんでおまえがいるわけ?
ポジ:ちょっとね
ネガ:ちょっとねって・・・・ま、まさか!
ポジ:うん、そのまさかよ
ネガ:バ、バカーなにかんがえてんだ!
ポジ:あら、別にいいじゃない
ネガ:・・はーあ、もうやだ俺・・
ポジ:さ、そろそろよ、見に行きましょ
ネガ:あーあー・・
オーディション会場
30番の子が歌い終わる
木所:(小声で)ほんとに、今の子でいいんですか?社長ー・・
慎吾:(小声で)あ、ああーかまわんとも、け、結構いい子じゃないか・・
木所:へー、そうですかー・・
慎吾:きさまー
俊夫とめぐみが慎吾を見る
慎吾:な、なにか?・・
俊夫:いいえー
めぐみ:別にー
31番の子が入ってくる
木所:えーと、お名前はー?
リエ:はい!如月 リエです
めぐみ:じゃ、どうぞ
リエ:はい!
曲が流れ出す
ユミ:ふーん、私の歌かー・・ん?
ユミ:ちょ、ちょっとレイ起きてよ
レイ:ん?終った?
リエ:歌「いつまでも一緒に、いたい人には」
リエ:歌「言葉よりも先に口づけ交わす」
ユミ:レイ・・あの子どーおもう?
レイ:(席を立つ)・・・
リエ:歌「すてきな幸せの贈り物」
慎吾とレイは呆然と見てる
慎吾:こ、これは・・
俊夫:はは、どーしました?立花さん
リエ:歌「私の受け取った魔法なの」
ユミ:ど、どうしたの?レイ
優二:い、いや・・(席に座る)
リエ:歌「あなただけを見つめることもできる」
リエ:歌「赤い糸の運命信じて」
リエが歌い終わる
ポジ:わー(拍手)
ネガ:ほえー
慎吾:すばらし、すばらし(拍手)
めぐみ:はい、どうもありがとう、控え室で待っててね
絵梨:はーい(去り際に、優二に手を振る)
優二:あいつー・・
ユミ:ん?(優二を見る)
めぐみ:慎吾ちゃん?・・今の子で決まりじゃない?
慎吾:え?・・あ、ああ・・そうだな・・
俊夫:ふーん・・どーやら見損なわずに済みましたよ?立花さん・・
慎吾:へ?
めぐみ:そうね・・・今回はこれで(張り手)ゆるしてあげるわ・・
俊夫:(小声で)うわー、いたそ・・
慎吾:(ぶたれたかっこのまま木所を向く)き、きどころくん?
木所:わ、わたし、手続きがありますので、これでー(立ち去る)
慎吾:まてー、きさまー(追っかける)
会場物陰
ネガ:まさか、こーなるとはね・・
ポジ:うふ
四話 END