「レッスン!レッスン!」
大伴家玄関
優二:いってきまーす
優:優二ー、真美はちゃんとお手伝いしに行くってのに
優:一体、どこにいくってゆうの?
優二:ちょ、ちょっとね
優二:ほら真美、先行っちゃうぞ
真美:あ、待ってよー
真美:じゃ、いってきまーす
走って、出て行く二人
優:もうー・・
公園近辺
ポストの近くでうろうろしている絵梨
優二:ようー絵梨、またファンレターか?
絵梨:げ、優二・・
真美:おっはよー絵梨ちゃん
絵梨:あ、あー、おはよう真美ちゃん(手紙を隠す)
絵梨:で、二人そろって、どこいくわけ?
優二:ちょっとね
絵梨:あっそ(そっぽ向く)
優二:あれ?
真美:わたしはねー、おじーちゃんのお手伝い
優二:どーせ、駿兄ー目当てだろ・・
真美:ち、ちがうもん・・・ネガとポジのご飯のためだもん
絵梨:えー!、まだ隠してたの?
優二:だってさー、こいつら脅すんだぜ・・
真美のポシェットからネガとポジが顔を出す
ネガ:こ、こら、人聞きの悪いことゆうな!
ポジ:そ、そーよー、べつにねー(ネガを向く)
ネガ:お、俺らは、猫じゃないんだ、ばれたって俺のせいじゃ無いって言っただけだろ!
ポジ:そうそう(うなずく)
優二:な?
絵梨:ふーん・・じゃ、なーんで猫のカッコしてるわけ?(指でネガの額を突く)
ネガ:い、いーだろ別に!
ポジ:じ、実はね・・・船がないともう力を使えないの・・・
優二:え?俺使えたけど?
ポジ:あー、それは別なの
優二:へー
真美:(ポケットからコンパクトを取り出す)はい、貸してあげるよ?
ポジ:ありがとう真美ちゃん・・でもー・・
ネガ:俺らには使えないの!
真美:ふーん(ポケットにしまう)
絵梨:じゃ、しょうがないわね・・・特訓よ2人とも!
ネガ:はー?
ポジ:も、もしかしてー・・
絵梨:猫の真似よー当然でしょ?
ネガ:そ、そうですね・・
ポジ:はは・・
絵梨:じゃ、真美ちゃん後でお店行くわね
真美:うん
絵梨:優二は、どこへでも行ってなさい(そっぽ向く)
優二:ちぇ、なんでぇー・・
真美:うふ、じゃーねー絵梨ちゃん、後でねー
絵梨:うん、後でねー
絵梨は2人が見えなくなるのを確認すると、そっとポストに手紙を入れた
道路
ネガ:俺は、今日優二に付いて行くからな!
優二:えーー、いいよ来なくて
ポジ:そうね、それがいいかも・・
真美:でも、絵梨ちゃんに怒られるよ?
ネガ:ちゃんと、向こうでやりますよ
ポジ:真美ちゃん、お願い
真美:う、うん・・・
ポジ:ありがとー
優二:ほんとに来るのかよ・・
ネガ:あたりまえだろ、おまえあぶないんだから
優二:ちぇ!
クレープカー前
クレープカー近くに来ると、真美は走って行った、優二はしぶしぶ歩いてくる
真美:駿!おじーちゃん、来たよー
駿:よ!
哲夫:真美はえらいなーうんうん
真美:えへへ、じゃ、ちょっと着替えてくるね
駿:ああ
真美は家のドアを開けるとポシェットを開けた
ネガ:ほ!
ポジ:や!
ポシェットから飛び降りる2匹
真美:じゃ、ちょっと待っててね
ネガ:あいよ
ポジ:はーい
真美が家に入っていくと、優二がやっとクレープカーのそばまで来た
哲夫:おー!優二も手伝ってくれるんだー、へー
駿:雪でも降るんじゃねーか?
優二:い、いや、食いにきただけ・・
哲夫:あらら(こける)
駿:はは、だとおもった
優二:ちぇ
店外客席
エプロン姿の真美はお客の注文を聞きながらクレープを配って忙しそう
優二はテーブルの下を見ている
優二:早く、食っちまえよ、行くんなら行こうぜ!
ネガ:くふふ、居づらいのか?いいとこあるじゃん(クレープを食べきる)
優二:ふん・・(テーブルに両手を付く)
ポジ:じゃ、ネガちゃんと見はってんのよ
ネガ:わかってるって
ネガ:おまえこそ、せめて俺並にはなっとけよ
ポジ:はいはい
優二:(テーブルに頭を付けたまま両手を下に伸ばす)じゃ、いくぞ
ネガ:おう(両手に飛び乗る)
優二はシャツのポケットにネガを入れると席を立つ
ポジ:いってらっしゃーい
ネガ:おー(手を振る)
優二:はーあ
パルテノンプロのビル前
優二:たぶん、このビルだな・・
ネガ:ああ
優二:へ?
ネガ:い、いいから早く変身しちまえよ!
優二:わかってるよ・・(歩き出す)
地下駐車場
ネガ:右よし、左よし、いいぞ!
優二:へーへー
優二はポケットからコンパクトを取り出す
カシャ!
優二:キャノ!(パシッっとステッキをキャッチする)
優二:パンプル・ピンプル・パムポップン・・チェーンジレイ!!(ステッキをかざす)
ネガ:バ、バカーでかい声で言うな!
優二は光に包まれると、レイに変身した
優二:どう?
ネガ:もう、やだ俺・・・
優二:わりーわりー(そっぽ向くネガをジャケットのポケットに入れる)
優二はエレベーターで上に上がっていった
パルテノンプロ事務所
優二がドアを開けて入ってくる
優二:どもー
木所:やー(椅子に座ったまま、振り返る)
慎吾:(椅子を立って歩いてくる)やぁ、よく来ちゃったねレイ君・・
優二:来たらまずかったわけ?
慎吾:そ、そんなことないさ・・(髪をかきあげる)
優二:ほんとー?
慎吾:さ、さー、こっちへ来たまえ(歩く)
優二:ふーん(ついて行く)
応接室
2人は部屋に入ってくる
慎吾:まー、座ってくれ
優二は椅子に座った
優二:話ってなに?おじさん
慎吾:(ピクっとなる)レイ君、ここでは社長と呼んでくれたまえ・・・
優二:話ってなんですか?社長のおじさん
慎吾:(ピクピクっとなる)ま、まーいい・・まずは、住所と電話番号を教えてもらおうか・・
ネガのテレパシー:き、きたー
優二:わかってるって!
慎吾:は?
パルテノンプロ事務所
ユミ:ただいまーー
木所:やー、おつかれー(振り向く)
ユミ:木所さん、今日あの人のレッスンあったっけ?
ユミ:さっき、そこで会ったんだけど・・
木所:あ、あーそれは社長が・・そうそう!ユミちゃんレイ君来てるよー
ユミ:ほんと!
ユミ:で、パパは?
木所:さー・・
ユミ:ふーん、パパにレイが来たら呼んでって、言っといたのに・・
応接室
ユミ:レイ!、いらっしゃ・・・
ユミがドアを開けて入ってきた、2人はお互いそっぽ向いている
ユミ:パパ!レイになんの話してるの!(歩いてくる)
慎吾:あ、ユミ
優二:へー、このおじさん、ユミちゃんのパパなの?(指差す)
ユミ:う、うん、そうなの・・(慎吾を見る)
優二:ふーん、なるほどねー
慎吾:ユ、ユミちゃん、ちがうんだよ、レイ君にね・・(あわてて)
ユミ:・・パパ、もし・・もしパパのせいで・・レ
慎吾:わかった!(立ち上がる)パパもー、なーんにも言わないから、ね、ね
慎吾:それ以上は・・お願い!
ユミ:レイ・・・(優二を向いて見つめる)
優二:ん?
慎吾:(小声で)わーわーわー
慎吾:だ、だがなーユミ!・・レイ君が、ド!素人じゃ困るんだよ、それはわかるな?
ユミ:う・・うん(優二から目をそらす)
優二:ちぇ
ネガのテレパシー:へー、変わったねこいつも・・
慎吾:そこでだ、早速今日からレッスンにはいってもらう
優二:えーー
ユミ:(小声で)ごめんね・・
ユミ:パパ!あたしも一緒に行くからね
慎吾:そ、そんな・・
ユミ:行きましょ、レイ
優二:う、うん
2人は部屋を出て行った
慎吾:な、なんでこうなるー
そこへ、めぐみが部屋に入ってくる
めぐみ:慎吾、彼、今日からレッスンですって?
慎吾:しょうがないだろ、相手役まで素人なんて計算外だ・・
めぐみ:ほんとに、それだけかしら・・
慎吾:・・ふん(髪をかきあげる)・・めぐみーおまえも、一緒に行けば?
めぐみ:(張り手)・・ほんと、バカ・・
めぐみ:ま、あの記者会見だけは、ほめてあげるわ
めぐみは部屋を出て行った
慎吾:(ぶたれたかっこのまま)ぶ、ぶたなくてもいいじゃん・・
クレープカー前
真美が、ジュースを配ってると、絵梨が来た
絵梨:やっほー真美!
真美:あ、絵梨ちゃん!
哲夫:やー、いらっしゃい
駿:よっ
絵梨:今日も、おじゃましまーす
哲夫:今日も、勉強かい?えらいねー、ったく、優二も来てたはずなんだけど
絵梨:え、優二も来てたんですか?
哲夫:ああ、知らないうちにいなくなってたけどねー
哲夫:まー、昨日は遅くまでやってたから
哲夫:男は黙って、影で努力してるんだろー、うんうん
絵梨:はは・・
真美は客の注文を聞いている
絵梨:忙しそうねー(真美を向いて)
真美:(後ろ向いて)駿ー、バナナクレープまだー?
駿:今、焼いてるでしょー
絵梨:ふーん、おじゃまだったかなー
真美:(はっとなって)べ、べつにー
絵梨:くす(笑う)、そう
絵梨:(小声で)で、ネガとポジは?
真美:(小声で)えーとね・・ポジは駿のお部屋でー、ネガはー・・
絵梨:(小声で)ネガがどうかしたの?
真美:(小声で)おにーちゃんに、ついてっちゃった・・
絵梨:(小声で)ったく、男同士でなにやってんだか・・
絵梨:(小声で)ま、ポジだけでも、なんとかするか
絵梨:じゃ、真美ちゃん後でね(歩き出す)
真美:うん(客席に向かう)
駿:絵梨ちゃん
絵梨:ん?なに駿兄ー(駿がそばまで来る)
駿:(小声で)優二の宿題、もって帰ってくれる
絵梨:え?わたしが?
駿:(小声で)ああ、明日渡してくれればいいからさ(笑って)
絵梨:ふーん・・・はーい
駿は車に戻り、絵梨は店内に入っていった
駿の部屋(元、優の部屋)
絵梨が部屋に入ってくる
絵梨:ポジーいる?
ポジがベットの下から出てくる
ポジ:あ、絵梨ちゃん
絵梨:ちゃんと、隠れてるなんて、偉いわねー
ポジ:え、えーとね、ネガはー・・・
絵梨:うん、聞いた聞いた、だからポジだけでもって思ってね
ポジ:はは・・
絵梨:まずは、鳴き声からね
ポジ:そ、それは、必要ないかなー・・
絵梨:だめだめ、しゃべる猫なんて、大騒ぎでしょ?
ポジ:え、ええ・・
絵梨:じゃ、どうぞ
ポジ:は、はーい
絵梨:こらこら、にゃーんでしょ?
ポジ:にゃ、にゃーん
絵梨:うん、そうそう、がんばって
ポジ:にゃーん・・
絵梨:えーと・・・あったあった(宿題を取る)
絵梨:(プリントをめくる)な、なにこれ・・ほとんど駿兄ーの字じゃない・・
絵梨:あはは、駿兄ーも、優しいんだか、厳しいんだか
ポジ:にゃーん?
レッスン室
ネガは植木の裏に隠れている
優二:あーあーあーあーあー(へたに)
ユミ:ま、まー最初にしてはいいんじゃない?ねー先生
先生:全然だめ・・はい、もう一回!
優二:あーあーあーあーあー(へたに)
ユミ:よ、よくなってきたわよ、ねー先生
先生:もー、一回
優二:あーあーあーあーあー(へたに)
ユミ:そ、その調子よ、ねー先生
先生:もー、一回
優二:ちぇ
ネガのテレパシー:(腹を抱えて笑う)あははは、だから大変だぞっていったじゃん
優二は植木をにらむ
ネガ:おっとっと
駿の部屋(元、優の部屋)
絵梨:さーて、私たちの分は、終ったわね
真美:うん
絵梨:じゃ、帰りましょうか
絵梨:あ、そうそう真美、優二の分終ってるみたいだから、私が持ってくね
絵梨:明日、学校で渡すねって言っといて
真美:はーい
絵梨:ポジは、ちゃんと練習がんばるのよ?
ポジ:にゃーん
絵梨:うんうん、その調子よ
真美:ポジ、うまくなったね(ポシェットに入れる)
絵梨:じゃ、行きましょ
真美:うん
2人は部屋を出て行った
電車内
優二:はー、あれが毎日続くのか・・
ネガ:くく、自業自得だね
優二:ふん!
くりみヶ丘駅
優二は家に向かって歩き出す
優二:あーあー疲れた・・
ネガ:おほん、まーよくがんばったよ・・
ネガ:だから、ご褒美あげるかな
優二:ほんと!、なになに、なにくれるの
ネガ:帰るときさ、木所からもらったやつあるじゃん
優二:木所?あーあのおじさんね
優二:ってことは、これ?(ポケットから携帯を出す)
ネガ:ああ、それにあの時の魔法をかけてみな
優二:あのときって?
ネガ:ぐ・・船が消える前に、使ったでしょー!
優二:あはは、覚えてるって
ネガ:このー
優二は、物陰に隠れるとコンパクトを取り出す
優二:キャノ(ステッキを持つ)
優二:えーと、ピンパン・プルプル・ポッポポン(携帯に向かって振る)
手に持った携帯が、光に包まれて消えた
優二:で?なにが変わったわけ?
ネガ:ふふーん、それに向かって俺の名前を呼んでみな
優二:ふーん(携帯に向かって)ネガ!
携帯にネガが映る
優二:おおー
画面のネガ:な?いいだろこれ
優二:へーー
優二:これって、絵梨達も使えるよね?
ネガ:あー、それもってればな
優二:真美は持ってないしなー、絵梨は持ってたかなー・・
優二:ま、一応今度教えとくか
パルテノンプロ事務所
慎吾:どうだ木所、追跡してるか?
木所:は、はい、今西国分寺を出たあたりですー
木所:あ、あーーー消えたーー
慎吾:んな、ばかな!・・あれは特別製だぞ(席を立つ)
木所:だって、ほらー消えてるでしょー?
慎吾:・・あいつは、一体何者なんだ・・
木所:さー
大伴家
優二:ただいまー
優:おかえりー
優:ご飯できてるから、手を洗ってきなさいね
優二:はーい
優二は上に上がって行った
優二と真美の部屋
優二は部屋に入ってくるとネガをポケットからベットにほおる
ネガ:このーー
優二:真美ー・・あれ、駿兄ーの所から、もって来てくれた?
真美:あれ?・・・あー宿題?
優二:そうそう!
真美:絵梨ちゃんが、明日学校で渡すって言ってたよ
優二:えーーー、そんなー
真美:だって、終ってたんでしょ?駿兄ーも言ってたよ?
優二:うそーー
ネガ;くくく、悲惨なやつ
ポジ:にゃーん・・
ネガ:はー?
ポジ:こっちも、こーゆうことになっちゃったの・・・にゃーん
ネガ:うそーー
真美:ネガも鳴きまね、がんばってね
ネガ:はははーー
優二:ぷ、くくく
三話 END