◆環境配慮で活気呼ぶ商店街◆

 コンパクトに折りたため、いざとなったら結構荷物が入り、肩にもかけられる「エコロジーバッグ」。余分な袋を出さないのでごみが減らすことができる。
 東京・北区のJR駒込駅そのそばにある霜降銀座栄会商店街(岡田基会長)では、付加価値のあるオリジナルエコバッグ(六百円)を靴屋など三店舗で販売している。それをさげて買い物をすると、各店舗でちょっとしたサービスが受けられるのだ。
 サービスの内容はお店ごとにさまざま。花屋では季節の花束、豆腐屋では油揚げ、菓子屋ではクッキー、八百屋ではモヤシをもらえるほか、化粧品店では肌の診断を受けられる。一割引きの喫茶店や宝飾店もある。そのほか、年数回の抽選会までもある。
 この商店街は戦後復興とともに形成され五十年以上も続いている。五十四
軒立ち並ぶが、今でもはかり売りなどをしている店が十軒もある。家庭から容器をもってくればそれに入れてくれる。
  チラシを大量に刷らなくても済むように商店街の中央に掲示板を作り、そこに各店がPRしている。乾電池などの資源回収拠点もあり、季節ごとの飾り物も廃止した。商店街の環境部で活躍する中村歌子さんは「環境にも人にも配慮した地域空間をつくりたい。地味な取り組みだが、継続することに意味がある。」と語る。
 全国各地で商店街に空き店舗が目立つ傾向にある。この商店街も決して例外ではない。しかし、ここでは個性のあるいろいろなお店で買い物を楽しむことができる。循環型社会は、いきいきとした商店街とそこに集う市民がつくるのだと実感する。

▲特典付きエコバックも一役買う

(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2001/10/23(火)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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