◆省エネ生活学べるゲーム◆


▲グループで省エネ計画を競うのも楽しい

 地球温暖化をくい止めるには二酸化炭素(C02)の排出削減が不可欠だが、家庭での取り組みは思ったほど進んでいない。具体的な手法や効果への理解が広がらない現実に焦りを感じていたら、おもしろいものを見つけた。特定非営利活動法人(NPO法人)「足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ」が製作、十五日に合同出版から発売される「ECO・エコ省エネゲーム」だ。
 舞台は四人家族の一戸建て。必要に応じて家電製品などを買い替え、C02排出量をどれだけ抑えることができるか、それが生活費にどう反映するかをシミュレーションする教材だ。購入するグッズはカードになっており、C02削減効果と費用を考えて選ぶ。
 「C02排出量が少ない人が勝つ」というルールで競ってみたら、これが実にいい勉強になる。暖房器具は新型エアコンやガスフアンヒーターなどから決定。大陽光発電装置もあれば心強い。最新の環境配慮商品ばかり選べば無敵だが、元手は三百万円に制限されるので、ポイントを押さえて省エネ商品をそろえる手腕が必要だ。
 二十年間のC02削減効果を集計して決着をつける。省エネ家電の導入で、電気やガスなどの光熱費がどれだけカットできるかわかるので、実際に家電を選ぶ際の参考になる。価格の割高感から敬遠されがちなエコ家電が、ランニングコストも勘案すれば得をするケースが多いのも体感できる。
 省エネ生活に必要な選択眼を養うゲーム感覚の教材は、楽しみながら賢い消費者を育てるきっかけにもなりそうだ。


(グローカルネイバーフッド代表 後藤浩成)
2003/4/12(土)日本経済新聞(夕刊)「グリーン通信」掲載
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